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パイオニアが「スマートループ」で目指す渋滞ゼロの世界--データサイエンティストに聞く - (page 2)

加納恵 (編集部)2013年07月22日 10時43分
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よく使用するルートこそカーナビを使ってほしい

--スマートループアイスポットはどのように設置しているのですか。

 私たちは2006年から渋滞情報を蓄積していますが、それを元に渋滞しやすい場所、リアルタイム情報が欲しいと思われる場所5000スポットを選定しました。具体的には高速道路のインターチェンジとジャンクションを撮影対象にしているほか、有名施設の駐車場入り口にも設置しています。また交差点を重点的に一般道もカバーしています。

 交差点は渋滞しやすい場所をランキングにして、多かった場所から設置していて、従来の蓄積型プローブデータに基づき選定しました。有名施設も同様に人気スポットから設置しており、今後も増やしていく予定です。

--従来の渋滞情報とはどこが違うのでしょう。

  • スマートループアイの画像イメージ。車線ごとの渋滞状況が画像から把握できる

 情報の質が違ってきます。たとえば高速の出口近くで、直進する2車線は渋滞しておらず、出口に向かう車線のみが渋滞していたとします。今までの渋滞情報では2車線で車が滞りなく走行しているので、その道は渋滞していない、と判断してしまう。しかしスマートループアイでは、その場を撮影することで、出口に向かう車線は渋滞している、という情報がきちんと得られるのです。また有名施設に設置したスマートループアイスポットからは、駐車場の入り口を撮影することで混み具合がわかります。

 情報量から言えば、蓄積型プローブ情報が圧倒的に多いのですが、ユーザーがデータを持ち帰るタイミングでしかデータ収集できないので、即時性がありません。スマートループアイはほぼリアルタイムで情報が入手できますから、より質の高い情報がリアルタイムで提供できるようになりました。

--2013年モデルから対応とのことですが、情報量的にはまだ少ないのでしょうか。

 正直、十分なデータは取れていません。ただ試算としては1年間このモデルの販売を続ければ、ある程度リアルタイム性を持ったサービスとして成立するだろうと見ています。これは2011年から発売したカメラ搭載ナビのデータを基に計算し、十分やっていけるというシミュレーションからはじめたサービスです。

 スマートループ自体も2007年の開始当初はデータとして心もとないと言われたこともあったのですが、1年後には機能として成立しています。そういう意味でもデータ量に関しては長いスパンで捉えています。もちろん装着台数は毎月リニアに増えていきますから、1年後には現在の12倍の情報が集まる計算になります。地域、時間的な偏りは出ると思いますが、その偏りはイコール情報を入手したいお客様の偏りでもありますから、欲しいリアルタイム情報をある程度カバーできます。

 もちろんパイオニアとしても、社内の人間の車に搭載したり、土日は搭載車で首都高を走ったりといった取り組みもしています。

--一方で蓄積型プローブデータはすでに7年分の蓄積がありますね。

 7年分というと、かなり膨大なデータになりますが、例えば12月31日や1月1日は1年に一度しかない特徴的な日です。その部分に関してはまだ7日分の蓄積しかないというのが正直なところで、きめ細やかな統計データをとるには貯め続けることが大切です。

 パイオニアではほかの企業とアライアンスを組んでおり、本田技研工業が提供する「インターナビ」や三菱電機の対応ナビなどからも走行履歴データが集まっています。これによって、本来1社では10年かかって貯めなければいけなかったデータも、収集する期間が半分になると見ています。データの収集状況はかなり改善していますね。

--データ量が増えることで得られるメリットはなんですか。

 交通量の少ない道路までカバーできることです。幹線道路ですとそれこそ隣り合っている車から情報があがってくることもありますが、あまり人が通らない道路は情報が集まらない。しかしマイナーな道路の情報を取ることで「ここはあまり人が通らない」ことがわかる。そのためには走っていただくことが必要で、たくさん集めていくことが大事です。

--蓄積型、リアルタイム型に加え画像収集までできるようになったサイバーナビは、今までのナビとどう違うのでしょう。

 ルートの質ですね。通常カーナビのルートは走行する道の距離を足して、何分かかるか計算するのですが、サイバーナビは、交差点で曲がる時間まで考慮してルートを設定します。そのため到着予想時刻が設定時から大きく変わることがありません。

 また距離の短いルートをお勧めしがちなのですが、サイバーナビは距離だけではなくてその間にいくつ信号があるのか、途中にある交差点は混んでいるのかなど、走行にかかる時間からルートをお勧めしています。

 そもそも渋滞しにくい道を誘導していますから、ルートを引いて貰えれば渋滞を回避できるということです。よく知っている道だからわざわざカーナビを設定しないお客様も多いかと思いますが、サイバーナビはリアルタイムでいろいろな情報を集めてくるので、むしろよく知っている道だからこそルートを引いてほしい。いつもの通勤路であっても引いていただきたいという思いがあります。

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