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通信のゆくえを追う

競争か協力か--通信キャリア、OTT陣、端末メーカーの微妙な関係 - (page 2)

菊地泰敏(ローランド・ベルガー)2013年06月20日 07時30分
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キャリアも主役の座を守る施策を打つ

 話を戻そう。

 もちろんキャリアも、この動向を黙って指をくわえて見ているだけではない。iモード時代を取り戻すべく、自らOTTのようなアプリケーションの提供に乗り出してきた。

 パケット通信の料金を定額で提供し、その普及を後押ししてきたキャリアは、今度はアプリケーションを定額で提供することにより、キャリア中心のエコシステムの維持を図ろうとしているのである。

 今後、キャリア、OTT、端末ベンダーはどのように競争を繰り広げていくのだろうか。そもそも、この3者の関係は「競合」といえるのだろうか?

 一歩引いてユーザーの視線で見れば、自分がしたいことに対し、この3者がそれぞれの立場で提供しているモノやコトは、構成要素にすぎない。自己完結しない存在なのである。

 例えば、出先でおいしいお昼ご飯を食べたいと思ったときに、信用できる情報(広告手段に成り下がってしまったガイドブックではなく、というくらいの意味)をもとに現在地の近くのレストランを探す、といった場面を考えてみよう。つながらないスマホはガイドブックのコンテンツをみるための電子手帳、電子辞書のようなものである。

 電話で知人に聞いてみるにしても、通話するだけではなかなか適切な情報を瞬時に集められない。SNSを利用しようと思えば、何らかのデバイスとインターネットへの接続は必須なのである。

 だからこそ、単純に競争するのではなく互いに協調しながらも、他者よりも有利なポジションに身を置きたい、という関係なのである。

 この連載では、この3者の競争と協調の関係を解きほぐしていく。

 それぞれ何を求めてどのような立場でこのエコシステムに参加しているのか、どのように将来像を描いていくのかを明らかにしていく。また、可能な限り、このエコシステム、すなわち情報通信産業そのものを取り巻く環境についても考えてみたい。

 さらに、1人のユーザーの立場として、この3者がどのような関係でサービスを提供してほしいかについて述べるつもりである。

 第1回である今回は、キャリアの苦悩について考えてみたい。

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