「Facebook Home」とプライバシー--ユーザーデータへの影響と懸念 - (page 2)

Seth Rosenblatt (CNET News) 翻訳校正: 川村インターナショナル2013年04月10日 07時30分

 今週Facebook Homeの提供が開始されても、当初はそれを使わずにいることは容易だろう。Facebook Homeのランチャーとチャットインターフェースを利用できるのは当面、「HTC First」携帯電話と、Facebook Homeを「Google Play」からダウンロードした米国在住者に限定されるが、筆者は同アプリを使わずにいることは難しくなると予想している。Homeの目的は、Facebookを「Android」上で拡大し、ユーザーとユーザーのアプリの間にいつまでも広がる層になることだ。当然ながらFacebookは、Homeを積極的に売り込みたいと考えているだろう。

 プライバシーを保護するブラウザアドオンを開発し、プライバシー保護サービスを提供するAbineのプライバシー専門家であるSarah Downey氏は、ユーザーを安心させようとするZuckerberg氏の言葉は十分ではないと述べた。

 Downey氏は「もし過去が何らかの指標になるとすれば、時間が経つにつれて、そして今回の発表をめぐる大きな報道と詮索が下火になるにつれて、Facebookはデータの共有を拡大するだろう。彼らはデータがここで果たす役割を意図的に小さく見せている。そして、Facebookがユーザーの行くあらゆる場所についていくことには金銭的な動機付けがある」と警告した。

 そして提供開始時点ではFacebook Homeに広告は表示されないが、筆者の同僚のJennifer Van Grove記者は早晩広告が表示されるようになるだろうと予想している。Facebookの広告は無作為に表示されるわけではない。Zuckerberg氏がWiredに述べたところによると、Facebookはユーザーに合わせたターゲット広告を配信しており、人々はそれによってFacebookとの「関与を深める」ことができるという。

 それは対象のユーザーについて広告主が見かけよりもはるかに多くの情報を把握していることを意味する。

 そして興味深いことに、先般実施された調査によると、わずか3点の位置情報データだけで携帯電話ユーザーの身元を特定できる場合があるという。

 しかし未来を変えるには手遅れだと話す一部の専門家と異なり、Downey氏はプライバシーの未来についての楽観的な見方をなくしていない。「あえて言うなら、5年後に人々は今よりも多くのプライバシーを確保できるようになるだろう。人々はこの状態がこれ以上起きるのを望んでいない。広告主は可能な限り長い間抵抗し続けるだろうが、人々は追跡され、売り込まれることを好まない。その点では規制が何らかの役割を果たさなければならないだろう。消費者は今、非常に不利な立場に置かれており、ほかに解決策はない」(同氏)

 したがって、Zuckerberg氏のプライバシーに対する定義が厳密でなく、ほとんど存在しないからといって、同氏が正しいわけではないし、ユーザーがそれを甘受する必要もない。短期的な解決策は、Facebookの利用を減らす一方で、自分のデータをFacebookが使用する方法について可能な限り厳格に管理することだ。「Facebook Chat」を使うときは位置情報の共有を無効にできるほか、特定の友達に対してChatを有効にしたり、無効にしたりすることもできる。投稿の公開範囲を「Public(公開)」から「Friends only(友達のみ)」に変更することも可能だ。

 Facebook Homeで位置情報共有を調整し、完全に無効にすることもできる。またFacebookに電子メールアドレスや電話番号を掲載する必要があるのなら、サブのものを載せるべきだ。Facebookのプライバシー設定のカスタマイズに関する米CNETの最新チュートリアルが公開されている。

 「Facebookはあなたの友達ではない。Facebookは監視というよりも強制的な広告だ。私が内々に打ち明けた話を後でほかの人たちに伝えるような友達だ」(Soltani氏)

 Facebook Homeがいかなるものであるにしても、そこはユーザーのプライバシーが守られる場所ではない。Facebook Homeと「友達関係を解消」する必要はないが、より強力な消費者プライバシー保護対策が実施されるまでは、可能な限り多くのことを自分で管理することが賢明だ。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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