たとえば、NTTドコモの加入者が米国あるいはドイツなど、どこの国でもいいですが、自分の携帯電話を持って行ったとします。その加入者の人が他国に着いた際にVodafoneやAT&Tなどのプロバイダに電話が切り替わるかどうかを考えた場合に、それを確認するお手伝いをしているわけです。そのお手伝いというのは、世界各国に240個のプロブを設置しているので、それによってローミングサービスを受けられているかどうかということを確認できるのです。
もう1つ例を挙げると、グローバルローミングにおいては、詐欺的な行為が行われていてもそれを探知できます。たとえば、ソフトバンクがその国の通信事業者と相互接続の契約がされている場合に、それが正当なネットワークに接続されているかどうかを確認したいと思いますよね。つまり、第三者のネットワークに接続しているのではなく、接続がハイジャックされるなんていうこともないように、これらのサービスで確認できるのです。
業界を振り返ってみると、40年以上私はこの仕事を続けていますが、通信量の増加などは常に目の当たりにしています。コンテンツの部分においても拡張が続き、ムーアの法則と同じことで、チップの力がどんどん上がっていけばもっともっとトランザクション数も上がっていきます。
コミュニケーション技術がこれからも爆発的に進歩を遂げていくでしょう。たとえば、128kbpsの時代もあったが、いまとなっては4Gの時代になって、100Mbpsの時代に入ってきています。そういう意味では、陰と陽、プッシュ&プールがあるということで、もっと通信件数が増えるほど、演算が行われるようになってきます。つまりもっともっと通信が行われるということです。それは、インターネットが誕生して以来、現在までずっとそのような状況が続いてきているわけで、モバイルネットワークについても同じことがいえるでしょう。
たとえ、トラフィック量が爆発的に増えても、インターネットが破綻してしまうということはありません。ただし、劣化という部分はエンドユーザーにおいては体験することがあり得えます。それは状況や地域などさまざまな環境によって違ってくるとは思いますが。企業としては、試験を行うため、監視を行うため、計測を行うために必要な製品、サービスを提供しています。我が社の顧客がそういったトラフィックが増加する前にそれを予測できるように、また十分なネットワークのキャパシティを確保できるようにお手伝いしています。
こうしたネットワークの生態系は今後も進化を遂げていくので、さまざまな問題は浮上してくると思いますが、そういう問題が到来しても我々自身が進化を遂げることで対処していけるでしょう。
電気通信事業者の関心事は自分たちのパイプ、インフラの質が良好だということを保証したいと思っています。しかし、そのほか我々の顧客企業の3分の2を占めているそれ以外の一般企業の場合は、銀行でも、保険でも、小売りでも、それぞれの企業が提供しているアプリケーションのレベルを高く維持し、ユーザー体験の質も高いレベルで維持したいと考えています。大手の企業に関しては、新たな世代のモバイルアプリケーションを構築する必要があるわけで、そうした先端的なウェブサイトはHTML5を活用しています。
私たちはそうしたウェブサイトの試験、監視、計測を可能にするための製品やサービスを提供しているわけです。その製品は3つあります。1つは、「Mobile Web Perspective」、2つめは「Mobile Device Perspective」、3つめは「Device Anyware」。
1つめの「Mobile Web Perspective」は、ウェブサイトの健全性を確認するために活用されています。2つめの「Mobile Device Perspective」は、モバイルアプリケーションの健全性を測定、監視し、試験にかけるための製品です。3つ目の「Device Anyware」は、品質保証の試験をするための製品です。
240のプロブを50都市以上で設置しており、プロブは別名「エージェント」ともいいますが、Mobile Web Perspectiveに関しては、トランザクションのシミュレーションを行います。1000以上の端末を試験する環境も提供しています。こううした試験は遠隔ですることもできます。
長期的なビジョンをもって日本市場にで事業展開していきたいと思っています。しかし、事業をさらに展開、拡大していく上でまずは走る前に歩かなくてはなりません。我々のアプローチとしては、日本そして日本の企業というものを尊重するべきだと思っています。日本の市場は米国とは違います。そして、日本式のものごとのやり方があることを私は十分に認識しています。そういう意味では、日本企業とパートナーシップを組むというのが、もっともよい方法なのです。私自身はkeynoteの前から、25年ほど前から日本とさまざまなやりとりをしてきましたので、日本をある程度理解しているつもりです。顧客と共に協力しながら、要望に応えて、日本国内におけるプレゼンスを挙げていきたいと考えています。
先にも話がでたKSK、セカンドファクトリーとの提携によって、顧客はiOSやAndroid、WindowsのOSの違いや機種の違い、デバイスの違いに戸惑うことなく効率的にサイトを構築、運用することができます。またさまざまな端末での表示や動作、パフォーマンステストを簡潔にすることも可能です。そして、「ユーザー体験」のレベルでサイトやサービスの設計を定量、定性分析により客観的に評価して、妥当であるかどうかを数値として見ることができるようになります。
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