Kickstarterで1000万ドル以上を調達したPebbleのような、最近登場したスマートウォッチメーカーは、消費電力の少ない、異なるスクリーンテクノロジを採用することでこの問題を回避している。Pebbleでは、バックライト付きLCDパネルの代わりに電子ペーパーディスプレイと低電力Bluetoothを採用している。これらはどちらも使用電力が少ないので、Pebbleは1回の充電で最長1週間使うことができる。
言い換えれば、明るい大型LCDスクリーンや常時接続性、そして「iPhone」や「iPod」にあるのと同じような性能を持つハードウェアを期待しているなら、デバイスを動かし続けるのに十分な容量のバッテリを搭載するという問題を無視することはできない。
バッテリの世界では依然として、リチウムイオンバッテリとリチウムポリマーバッテリが最も一般的に使われているテクノロジである。ただし、リチウムポリマーの人気が高まっている。
この2つのテクノロジはよく似ているが、リチウムポリマーバッテリにはいくつかのメリットがあり、携帯端末用としてますます魅力的なバッテリになってきている。リチウムポリマーバッテリは、リチウムイオンバッテリよりも高価だが、安全性では優れており、さまざまな形状で製造できる。それと比較すると、リチウムイオンバッテリは、円筒形か、平らな長方形の箱形に制限されてきた。メーカーによってなされたフォームファクタの種類の進歩の一部は、こうした特質によってもたらされてきた。
UBM Tech InsightsのテクニカルリサーチマネージャーであるAllan Yogasingam氏は次のように述べている。「さしあたり、予測可能な未来において頼りになるのはリチウムポリマーバッテリだ。その理由は、リチウムポリマーバッテリの強力な柔軟性は、タブレットやノートブック、そして最近ではウルトラブックのような製品を軽量で薄いデザインにすることが可能だからだ。それに、どのバッテリテクノロジが家電メーカーに最も強く訴えるかは、ちょっとした『軍拡競争』を見るようなものだ」
Yogasingam氏によれば、バッテリテクノロジの最先端に立つものの1つがリチウムイミドだという。これはリチウムポリマーバッテリよりもエネルギー密度が高い。さらに耐久性と、充電性能の点で優れている。この2つは、出先で使うことになるデバイスには大きな利点だ(リチウムイミドについてより詳しく知るには、この記事を参照してほしい)。
将来的には、リチウム空気バッテリも期待できる。IBMはリチウム空気バッテリを主に電気自動車の電力供給用に開発してきたが、カリフォルニア州サンノゼにあるIBMアルマデン研究所のバイスプレジデントおよびディレクターであるMichael Karasick氏は、そうしたバッテリを小型化すれば携帯デバイスに使えるはずだと言う。同氏は、そうしたテクノロジがあれば、バッテリのサイズを現在の10分の1まで小型化する、あるいは持続時間を10倍にすることが可能だとしている。難点はあるのだろうか。Karasick氏は、そうしたバッテリの実用化には数年かかると述べている。
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