「Windows」担当幹部T・レラー氏、「Windows 8」の今後の展望を語る - (page 2)

　すべてのWindows 8/Windows RT PCおよびタブレットはどこで入手できるのか。Windows 8の「発売」から3カ月以上（そして、RTM版の公開からおよそ6カ月）が経過したのに、消費者に販売されている新しいWindows 8/Windows RTタッチタブレットおよびPCの数が未だに比較的少ないのはなぜなのか。OEMは、MicrosoftがWindows 8に関して何を計画しているのかを何年も前から知っていた。それでは何が起こったのだろうか。Windows 8/Windows RTタッチタブレットおよびPCの普及速度が比較的遅れていることについて、Reller氏は何らかの部品の不足を理由に挙げていない。Windowsチームはその理由を自分たちで把握しようとしている、と同氏は述べた。同氏によると、同チームはWindows 8開発期間におけるOEMとMicrosoftの間のあらゆるやりとりを調べているという。タッチを重視することをもっと早い時期にOEMに納得させることができていたかもしれないプログラムやキャンペーン、文書はなかったのか。Reller氏によると、同チームはこのことを調査しているという。

　Reller氏はポジティブな面を強調した。Windows 8認定を取得したデバイス（2012年10月の発売時点では1000機種）の数が2倍に増えている。2013年2月から春の間に、Lenovo（レノボ）やHewlett-Packard（HP）、ASUS、Acerなどから新しいWindows 8フォームファクタが多数市場に投入される予定だ、と同氏は繰り返した。

　MicrosoftとIntelの関係：Reller氏は先週、筆者に対して「メッセージングに関して、当社とIntelの連携は向上しているように感じる」と述べた。しばらくの間Microsoftは、Windows RTとARMへの取り組みの方を強調して、Intelにチップ提供のタイミングを加速させているような印象を与えていた。Intelの「Core i5」を搭載した「Surface Pro」の出荷開始日が2月9日に設定された今、Microsoftの位置付けと思考において、Wintelと呼ばれる両社の提携関係が中心に戻ってきたように思える。

　Windows販売の難題：Microsoftはより多くのMicrosoft Storeに人員を割き続けているが、Best BuyやStaples、そのほかの小売チェーン店の売り場をMicrosoftと同社パートナーのハードウェアおよびソフトウェアにとってさほど理想的ではないと考えるわれわれのような人間にとって、そのペースは今でも遅すぎる。ただしWindowsチームはこうしたほかの小売店を無価値と見なしているわけではなさそうだ。Reller氏は筆者に対して、「われわれはSurface RTとSurface Proを小売店で販売し、それを本当に首尾よく行う必要がある」と話した。同氏によると、MicrosoftはMicrosoft製およびOEM製のPCとタブレットを買い求める人々に対して、小売チェーン店での購入体験を素晴らしいものにできると考えているという。

　筆者の訪れた小売店およびMicrosoft Storeの店数が少ないことは認めざるを得ないものの、顧客が何らかのWindows 8/Windows RT PCおよびタブレットを購入するためにドアを破壊する勢いで店内に駆け込む姿を筆者は見たことがない。MicrosoftはPC購入の力学の変化を感じている、とReller氏は述べた。近頃では小売店での体験は、調査または学習目的で「オンラインで購入する前に試用する」体験になりつつある、と同氏は述べた（書籍販売の世界で起きている現象とそれほど変わらない）。

　対談内容に関する記事はこれで終わりだ。あっと驚くような新情報はない（「Windows Blue」ウォッチャーの人々には謝りたい）。それでも、Windows幹部と実際に会って質問し、いくらかの答えを得る機会を持つのは良いことだ。