山田さんのケース分析に話を戻しましょう。彼のソーシャル活用が失敗した理由は、シミュレーションが不足していたというのも含めて、全体設計の中でソーシャルアカウントに担わせる役割設計を間違えたことにあります。
山田さんは、自分の戦略を見直すために半年たった時点での営業戦略と状況をクロスファネル図にプロットしてみました。それが下の図です。
山田さんの戦略を分析する前に、この図について簡単に説明しておきましょう。マーケティングファネルをご存知の方でしたら直感的におわかりになるかと思いますので、この項は飛ばしていただいて結構です。
ファネルというのは「じょうご」「ろうと」のことです。入り口の口径が大きく、出口が小さくなっています。先の図は、この「じょうご」を2つくっつけたような形をしているので「クロスファネル図」と呼んでいます。
クロスファネル図には「認知」「選定」「行動」「体験後」という横向きの矢印が書かれています。これは顧客と製品・サービス・ブランドの関わりを表しています。
1. ある製品・サービス・ブランドの存在を知って (認知) ↓ 2. それが自分にとって必要かどうかを判断し(選定) ↓ 3. 納得した上で利用し (行動) ↓ 4. 所有・記憶・継続利用といった形で関わり続ける(体験後)クロスファネル図は、上記各プロセスにおける「顧客接点」、つまり製品・サービスと顧客のコンタクトポイントをプロットして使います。プロットするのは「顧客行動」ではなく、「顧客接点」という “実在する何か”である点にご注意ください。
図中の四角は顧客接点を表します。本来、大きいほど影響力があるという意味なのですが、表記の都合上厳密ではありません。 図中の矢印は、顧客が、ファネル内の接点を移動することを意味します。数字は割合やボリュームを表します。
「顧客接点」と言われてもピンと来ない方も多いかも知れません。上図に例を挙げますので実際に考える際の参考にしていただければ幸いです。どのようなビジネスでも、例示された接点に1つか2つは見覚えがあると思います。
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