8月に開催された、ユーザーエクスペリエンスデザイナーへのプレゼンテーションでHarris氏は、「なじみのあるものに頼るのは、凡庸への道だ」と述べている。
Nielsen氏は筆者に、自分は控えめな製品進化を支持しているのではないと語った。そこには固有の問題がある。
「漸進的な変化を行うたびに、汚れがたまっていく」(Nielsen氏)
Sun Microsystemsの最高経営責任者(CEO)であったScott McNealy氏がWindowsについて、控えめな改善という名のもとで長年集められてきた、あらゆるプログラムの「毛玉」であると言ったことは有名である。
「ある時点で、過去とは決別しなければならない。しかし、頻繁にそうすることはできない。そのため、適切に行うのが非常に重要だ」(Nielsen氏)
Nielsen氏は自らの調査と分析から、Microsoftは今回それに成功しておらず、タブレットとPCにそれぞれ別のOSを用意するべきだったと判断した。Nielsen氏は2年前に「iPad」が発売された時にも、その調査と分析から、さまざまなアプリの動作に一貫性がないとしてiPadのユーザビリティを批判した。もちろんその批判は、目玉が飛び出るほどの数の消費者がiPadに飛びつくのを止めることはなかった。
Microsoftが完ぺきなOSを生み出したと言いたいわけではない。Windows 8には不備な点もある。TeagueのHobbs氏は、Windows 8のタブレットバージョンでジェスチャ機能を使う場合に、エラーが起こる可能性があるというNielsen氏の批判には賛成している。さらにHobbs氏は、特定のアプリのニュース記事といった、情報の更新を通知するアニメーションは非常に煩わしいものになる場合があると考えている。実際、一部のアナリストは既に、Windows 8の先行きには批判的な見方をしている。
「いかなる意味でも、Microsoftがうまくやったとは思っていない。しかしMicrosoftは、地球上で最も興味深いユーザーインターフェースに取り組んでいると主張したい」(Hobbs氏)
それは筆者に、Jobs氏の別の言葉を思い出させた。
Jobs氏は1996年のPBSのドキュメンタリー番組「Triumph of the Nerds」で次のように語った。「Microsoftの唯一の問題点は、センスがないことだ。全くない。そしてそれはささいな話ではなく、大きな意味でそうである。彼らは独創的なアイデアを考え出さず、自分たちの製品に文化を持ち込もうとしない」
新しいWindows 8のユーザーインターフェースを価値のあるものと思うかどうかは、人によって意見が異なるだろう。しかし変化という点では、Microsoftは独特の視点を持っているように思える。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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