VAIO Duo 11の最大の特徴である液晶画面の移動による変形は、とても簡単だ。まず、タブレットスタイルからノートPCスタイルへの変更だが、液晶画面の奥側のフチに指を引っ掛け、画面を上に引き上げようとすると、画面が斜め後ろにスライドするように変形し、ノートPCスタイルに変化する。
反対にタブレット形式にするには、最初とは逆に液晶画面を押し付けるようにすると画面が手前にスライドし、スプリングの力でタブレットスタイルに固定される。
Surf Slider方式を実現するヒンジなどは剛性が高くスムーズに動く。開いた際に一連の仕組みを隠すように後ろ側にはVAIOマークの付いたパネルが貼られるが、この動きもスムーズのひとことだ。
しかし、ギミック自体は非常に楽しいのだが、キーボードを露出させて使うノートPCスタイルの際、画面の角度が調整できないため、周囲の環境によっては映り込みが気になる。わずかではあるが本体底面の足が角度を付けられるだが、特に喫茶店に多くある多数のペンダントライトが低く垂れ下がっているような場所では、光源の映り込みを逃がす術がない。贅沢を言えばもう少し画面角度を多少変化させる工夫が欲しかった。
また、このギミックゆえ耐久性が気になるところだが、開閉をはじめ耐久試験を実施、画面に至っては鉄球落下試験にパスするという丈夫さを持っている。VAIO Duo 11は基本的に長野県の安曇野で生産される国産機。品質の安定という点でも安心できる。
ノートPCスタイルになった際、最近のノートPCと異なるのがパームレストがなく、キーボードが手前のフチのギリギリまで来ている。ちょうど2003年発売のVAIOノート505エクストリームや、2009年発売のVAIO type PのようにVAIOシリーズでパームレストがない機種では、タッチパッドのかわりにスティックポインタを装備していたが、VAIO Duo 11でもマウス操作用としてスティックポインタを装備している。
ただ、ポインタは従来と異なる光学式となる。ポインタの先に指先をスライドさせた状態を検知するようで、昔からのスティックの先を倒した方向で操作するタイプとは操作感が大きく違い、利用には多少の慣れが必要と思われる。
キーボードはアイソレーションタイプで、キーひとつひとつの面積は他のVAIOシリーズと比べ若干小さい。ストロークは浅めとなる。キーピッチは実測で横方向が18mm、縦方向が16mm。コンパクト機の日本語キーボードは変則的に右側のキー幅が狭くなっていることが多いが、VAIO Duo 11では日本語ピッチは一定となっている。
押しやすいかどうかは個人の好みに左右されるが、キーの上下のピッチが左右に比べて狭い点や、パームレストがなくVAIO Duo 11を置いた机やテーブルがパームレストの役割を兼ねるという点は、一般的なモバイルノートPCを使っている人が移行すると、慣れるまでに若干の時間を要するかもしれない。
また、VAIO Duo 11の操作はキーボードやタッチパネルだけではない。デジタイザースタイラスが付属し、ペンでメモを書いたり文字認識ソフトを使って手書きでテキストを入力できる。お絵かきのアプリでは筆圧を反映した手書きができるほか、特徴的な使い方は専用アプリ「Active Clip」によって画像の切り抜きなどの編集が可能で、今後、発売日にダウンロード提供予定のアプリ「Slide show add-in」など、今後のペン活用が期待される。
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