「Google Wallet」は注意した方がいい。現在、新たなモバイル決済サービスの開発が進められている。
米国時間8月15日、小売企業で構成されるコンソーシアムが「Merchant Customer Exchange(MCX)」と呼ばれるモバイルコマース企業を立ち上げたことを発表した。Best BuyやTarget、Wal-Mart、Loweを含む多くの企業が参加している。それらの企業が生み出す年間売上高を合計すると、何と1兆ドルにもなる。
MCXは現在、顧客が参加小売企業の店舗で買い物をする際にモバイル端末で決済できるようにするモバイルアプリケーションを開発中だ。MCXによると、同アプリは「ほぼすべてのスマートフォン」で動作し、消費者向けのお得情報やプロモーション、小売キャンペーンも提供するという。
Walmartのコーポレートバイスプレジデント兼アシスタントトレジャラーであるMike Cook氏は15日の声明の中で、「MCXはモバイルテクノロジを利用して、より高速で便利なショッピング体験を消費者に提供し、その一方ですべての株主のために不要なコストを排除する。MCXプラットフォームはセキュアなテクノロジを使って、小売店やカジュアルダイニング、ガソリン、Eコマースを含む、あらゆる分野の業者が利用可能な効率性の良いモバイルソリューションを提供する予定だ」と述べた。
小売業者による今回の動きは、誕生して間もないGoogleのWalletモバイル決済アプリにとって、厄介な問題になるかもしれない。Google Walletは「Android」ベースのデバイス上で動作し、対応スマートフォンを持つ顧客がそのハンドセットから決済を行うことを可能にする。これまでのところ、Google Walletの普及はあまり進んでいない。しかし、同アプリには今までライバルがほとんどいなかった。
MCXの登場が決まったことで、Googleはサービスを拡大するのにこれまでより少し苦労するかもしれない。Googleは同サービスを軌道に乗せるために、業者やクレジットカード会社との提携を余儀なくされている。非常に多くの大手小売業者がMCXへの参加を決めたことで、業者やクレジットカード会社はWalletに関してGoogleと提携したいと思わなくなる可能性がある。
MCXは同アプリケーションのローンチ時期を明かさなかったが、「今後、より多くの業者、さらにMCXの製品およびパートナーに関する詳細」を発表していく予定だと15日に述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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