第4回 顧客タイプ別対応法(その1) - (page 3)

協調型のお客様

協調型の特徴

 雰囲気志向で主張度が低いタイプを「協調型」と呼びます。このタイプの人には次のような特徴があります。

  •  控えめ、聞き上手、静か、相手に合わせることができる
  •  安全で安定した環境、誠実な評価を望む
  •  いろいろなことが起こると優柔不断になる傾向がある
  •  自分を動機付ける要因:思いやりや慣例、人から頼まれたこと
  •  恐れ:安全や保障を失うこと
  •  信頼構築で重視すること:包容性

  • 協調型への対応

     協調型のお客様は基本ニーズとして「調和していたい」「皆から受け入れられたい」と思っています。したがって、このタイプの人への対応のポイントは「他の皆、他の人」を引き合いに出し、他の人があなたの決定を望んでいるということを理解させることです。優しく感情に訴え、お願いすることも効果的です。


    協調型へのアプローチ
  •  雰囲気を和らげることからスタートする
  •  いま決めようとしていることは、過去に相手の人と似た環境の人が試してうまくいったことを伝え、安心感を与える
  •  地位の高い人からの支援・推奨があることを伝える
  •  相手の気持ちを汲み取りながら、共感的な話の仕方を心がける
  •  この決定に対しては、反対者がいないであろうことを伝える

  • 協調型に対してしてはいけないアプローチ

     協調型の人は、周りの人との関係性・調和を重視しています。したがって、「あなただけにナイショで」とか「他の人を出し抜けます」というような、1人だけ浮いてしまって調和を崩すようなアプローチは嫌がられます。


     今回は以上です。次回は、分析型と主導型の特徴とアプローチをご紹介し、この連載をまとめます。

    著者 荒巻基文 紹介 
    1949年生まれ。京都出身。京都教育大卒。ソニー企業にて海外での人材育成業務などに携わり、96年に独立。企業研修や指導を行うアイビジョン株式会社を設立し代表取締役。2009年から産業能率大学経営学部教授。部下指導法や営業、プレゼンテーションなどのビジネススキル、キャリア開発、異文化コミュニケーションなどの領域で、著名企業での研修実績多数。著書は、『「教え方」教えます』『プレゼンテーションの技術』『Perfect「ビジネスコミュニケーション」』(いずれも産業能率大学出版部)など。この連載の詳しい内容は、『コンサルティング・セールスのすべてがわかる』(産業能率大学出版部)で多く紹介している。

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