マリアン・ヒーは、大学でビジネスを学んだ後、金融業界に8年間務めました。30歳のころ、1日12時間労働の厳しい仕事に見切りをつけました。ペースを落とし、次の進む道を決めたいと思っていました。その後、必要なだけの時間をじっくりかけて、ワインと蒸留酒産業で仕事を見つけることを決めました。そして、レストランで働き、ソムリエの見習いになり、アメリカソムリエ協会に入会しました。最終的には、アトランティック・ワイン・アンド・スピリッツ社の卸業者になりました。
ヒーの経験は、9つ目の法則の真理を明らかにしています。それは、「時間をかける必要がある」というものです。キャリアチェンジをしようとしている人は、それほど時間はかからない、おそらく6週間くらいでできるだろうと期待しています。そのため、本当は6カ月、あるいはそれ以上かかることがあることを知ると、失望することがあります。
期待する気持ちは、制御するのではなく管理してください。自分は例外なのだと考える「呪術的思考」は避けてください。自分がコントロールできないものではなく、できるものに力を入れてください。プランBを用意し、自分を解き放ち、旅を楽しむ準備を整えてください。
(注釈:呪術的思考とは、呪術が効く、という前提で物事を考える思考のこと。また、何かしら問題・課題がある時に、自己の健全・合理的な努力を欠いたまま、呪術に類似した行動のみによって解決してしまおうという思考)
毎日、毎週、および毎月の課題を具体的に記した「キャリア再構築戦術計画」を実行してください。ただし、やりやすく、楽しく、やってもやらなくても大差のない同じ課題を作ることで、やる気をなくさないようにしてください。追跡システムを使い、やるべきことをやり、自分に褒美を与え、成長し、さらなる高みへ行けるよう毎週自分の力を試すことで前に進んでください。
9つ目の法則は、必要な時間は保つということです。キャリア再構築計画を使い実行することだということです。ポイントは、自らのやる気が失せぬよう、自らを賞賛することや新たなテーマを課すことです。
ノース・カロライナ州の元分益小作人だったテリー・ウィリアムズの両親は、娘を強く、不安や欠点、過ちに捕らわれない人間になるよう育てました。ウィリアムズは、エディー・マーフィーを広告に起用することで広告会社を立ち上げ、その後もさまざまな有名人を広告に起用しました。それによって彼女の会社は、業界の台風の目のような存在になりました。しかし、ある授賞式のディナーに出席した時、ウィリアムズは突然、まるで「心が麻痺してしまった」ような「虚無感」に襲われました。
重いうつ病になり、9か月も寝込みました。そしてその間に、ビジネスは破たんしてしまいました。しかし、その後、ステイ・ストロング財団法人を共同で立ち上げることで復帰を果たしました。2005年、雑誌エッセンスにうつ病との闘病生活についてつづったエッセイを掲載しました。今、彼女はアフリカ系アメリカ人のための精神衛生の提唱者として活動しています。
ウィリアムズの経験は、10個目の法則の力を示しています。それは「自分を信じることと、自分の中には信頼できて価値のある力があることを理解することで、自信は芽生える」というものです。自分自身や自分の生まれ持った才能や能力に対して、温かく、思いやりと自信のある態度を取れば、人々を引き付けることができます。いままで一生懸命作り上げて来た新しい世界の淵に立ち、自分には覚悟ができているのか不安に思ったら、「できている」と答えてください。
最後の法則は、自分を信じることにあります。これは、何を行うにしても基本として必ず立ち返るべきことだと思います。これまで10項目のスキルは、手順を追ってわかりやすく解説されていることが理解できました。
また、法則の中にある、足を引っ張る声や、否定的な人物へ自分の内なる声がどのようにかかわるかも大きなカギとなるのではないかと思います。いずれにせよ、この全10項の法則は、自らが気付かぬうちに失いかけた本能を再燃させてくれたり、皆が持つミッションを自分らしく誘引してくれたりすることが実感できる優れたツールであるということが分かりました。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
働くあなたの心身コンディションを見守る
最新スマートウオッチが整える日常へ
すべての業務を革新する
NPUを搭載したレノボAIパソコンの実力