「Internet Explorer」(IE)は、パーソナルコンピュータにおけるブラウザ利用シェアで、2012年1月は競合他社の勢いを辛うじて食い止めた。だが、今のところMicrosoftの存在感がほとんどない分野が、新たな戦いの場として台頭しつつある。それはすなわち、モバイルだ。
Net Applicationsが発表した最新統計によると、パーソナルコンピュータの分野では、IEは世界におけるブラウザ利用シェアを2011年12月の51.9%から2012年1月の53%に伸ばし、再びいくらかのシェアを取り戻した。
だが、ブラウザ利用ではデスクトップおよびノートPCが大多数を占めるとはいえ、モバイルデバイスも着実に伸びている。スマートフォンとタブレットでのブラウザ利用は2011年12月の7.7%から伸びて1月には8.8%となり、過去最高を記録した。
そして、このモバイル市場では、Microsoftの存在感は今のところほとんどない。Net Applicationsの統計によると、「Windows Phone」に搭載されているモバイル版「Internet Explorer 9」(IE9)のシェアは、1月時点でモバイルブラウザ全体の0.2%だった。それ以前のバージョンのモバイル版IEを加えてもシェアは0.3%ほどで、Amazonが「Android」ベースのタブレット「Kindle Fire」で採用している新しいブラウザ「Amazon Silk」と同程度だ。
これに対し、モバイルブラウザ市場で首位を走るのはAppleの「iOS」に搭載されている「Safari」で、54.9%の利用シェアを獲得している。2位は19.6%の「Opera Mini」だが、そのシェアは減少傾向にある。一方、Googleの「Android」ブラウザは徐々に利用者を増やし、そのシェアは17.8%に達している。
従来型のパーソナルコンピュータの分野では、「Google Chrome」が「Firefox」を押しのけて第2位の地位を獲得しそうな勢いだが、1月はこの傾向も足踏み状態となった。Firefoxがシェアを21.8%から20.9%に下げる一方、Chromeも19.1%から18.9%にシェアを落としたからだ。また、AppleのSafariも5.0%から4.9%と、わずかにシェアを下げた。
Microsoftは、「Internet Explorer 6」(IE6)からIE9への移行をユーザーに強く促しており、「Windows 8」がリリースされる2012年後半には「Internet Explorer 10」(IE10)への移行を進めたい考えだ。バージョン別で見ると、27.5%のシェアを持つ「Internet Explorer 8」(IE8)が今でも最も利用率が高いものの、IE9も利用者を増やしており、1月のシェアは11.6%に達している。
IE6は、その約10年の歴史の中で、一度は支配的な地位を得たものの今では物笑いの種へと転落したが、Microsoftが「Internet Explorer 6 Countdown」という特設サイトで公表しているNet Applicationsのデータによれば、1月の利用シェアは7.7%だった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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