バーチャルからリアルに向かう2012年こそ好機--オールアバウト - (page 2)

岩本有平 (編集部)2012年01月10日 10時00分

 2011年4月には新会社オールアバウトエンファクトリーを設立しました。これは専門家ビジネスのための会社です。専門家によるセレクトショップである「All About スタイルストア」や専門家自身を紹介する「All About プロファイル」などを展開しています。プロファイルでは、専門家の無形なサービスも取り扱っており、“会ってなんぼ”というところがあります。コワーキングスペースなどとも連携して、リアルなサービスを提供します。


 中国の総合情報サイト「阿邦.com」との提携も発表していますが、これは「日本発で、海外で求められるコンテンツ」を出していくというのが狙いです。中国の富裕層は、日本のファッションやビューティーなどの情報を求めています。観光情報も提供して、日本へのインバウンドを求めるクライアントを探していきます。

 2011年10月に資本・業務提携を発表したルーク19はサンプリングを手がけている会社です。メインユーザーはF2層で、リアルイベントを実施して彼らにリーチできます。会費を払ってもいい物を使いたいというユーザーはいます。「モノは試してから買う」ということで新しい流通になると考えています。POSデータなどを使えば実際の販売テータが分かりますが、サンプリングであれば販売前にもリアルな反応が分かります。

 またオールアバウトでは現在、企業向けソリューション領域の事業強化を目指しています。DNPとの資本・業務提携によって、DNPの持つ得意先基盤と、オールアバウトのネットメディア運営、集客ノウハウを組み合わせて、トータルなソリューション力を強化できると考えています。

--2011年は「種まき」の時期だったようにもうかがえます。2012年の戦略について教えてください。

 メディアにおけるコンテンツ生成の方法について、Good Answers Topicsをベースに、大きく進化させて、ユーザーへの影響力やメディア規模を今まで以上に高めていきます。それにあわせて、従来の広告ビジネス以外での収益拡大にもチャレンジしていきます。

 あわせて、スマートフォンベースでの会員制個人課金サービス展開とFacebook NaviをベースにしたFacebook関連サービスに力を入れていきます。また、阿邦.com同様、成長著しい東南アジア新興国のミドルマーケットに対する日本観光、ファッション、ビューティー、教育関連情報の提供を引き続き推進します。

 また、2011年は「ソーシャルブーム」に沸いた年でしたが、ユーザー、企業双方にとっていい意味での「ソーシャル疲れ」が起きてくると思います。無理した使い方からの脱却、つまりソーシャルリテラシーの向上が進み、本質的な利用が進むと思います。それにより、バーチャルなSNSだけで終わらない、リアル感をより求めていくのではないでしょうか。人を軸とした行動支援、問題解決をサービスとして展開しているオールアバウトにおおいにチャンスがあると思います。

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