そのことはさておき、Shuttleworth氏であればこの計画を実行できると筆者が考えている理由は、ビジネス面における同氏の現実的なアプローチにある。Shuttleworth氏がCanonicalに対して望んでいるのは、AppleやGoogle、Microsoftとは正反対の小さな企業を目指すことで、OEM企業や、独立系のソフトウェアベンダー(ISV)、キャリアのニーズを汲み上げやすくするということだ。例えば、あなたがISVあるいはキャリアであり、新たな手段で収入の増加を図ろうとしているというのであれば、Canonicalは進んで交渉に応じるだろう。
Shuttleworth氏は、UbuntuがキャリアやOEM企業にとっての代替選択肢となることを望んでいる。同氏は筆者に対して「OEM企業にとって最も賢明な戦略は、相手を互いに競わせることである。このため、Ubuntuを破壊分子として利用したいOEM企業もあるはずだ。そして、Ubuntuが強力であれば、OEM企業にとって大手企業のものよりも利用しやすい存在となるだけではなく、GoogleやMicrosoftに対する武器ともなり得る」と語っている。
これは新たなデバイスに搭載されるOSに対する現実的かつ政治的な考え方である。このような考え方はビジネスの世界において成功をもたらすものであり、筆者の目にも至極真っ当なものに映る。また、Shuttleworth氏はスマートフォンやタブレットの市場が刻々と変化しているということも、しっかり認識している。このため、AppleのiOSやGoogleのAndroid、MicrosoftのWindowsが大きくつまづくようなことがあれば、UbuntuはモバイルOSという分野における実用的な選択肢から、皆のお気に入りへと飛躍する可能性もあるというわけだ。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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