ネイバーとライブドアが語る統合の狙い--「スマホでNo.1になる」 - (page 2)

--逆に統合することによるデメリットもあるのではないでしょうか。

 出澤氏:ライブドアがNHN Japanグループに加わってから1年半になりますので、一緒に仕事をしていく中で相互の理解も深まってきて、そういう意味だと大きなリスクはないと思っています。むしろ私達としては、よりよいプロダクトを作って1人でも多くの方に使っていただいて、世の中を便利に楽しくしていきたいという思いがありますので、統合は自然の流れと言えますね。

 今では総合力の時代になって、各社も人的リソースを大きく投入してきっちり作っていかないとご評価いただけない時代になってきている。そこでNHN Japanのゲームのアセットやネイバーの検索やLINE、ライブドアのブログや広告のマネタイズノウハウを結集してメリットを追求することが1番大切だと思っています。

 舛田氏:現場レベルのことをいえば、我々には“プロダクトファースト”が染み付いているので、組織の壁や調整などは基本的にすべて取っ払ってしまいたい。サービスを1番早く最高の状態で作れる環境を整えましょうというのが今回の統合ですね。

--やはり今後はスマートフォンに注力していくのでしょうか。

 出澤氏:すでにそうなりつつありますが、ウェブ・ゲーム問わず、まずはスマートフォンでナンバーワンになるということを、短期的な目標として設定してますので、今後もかなりの割合をスマートフォンに集中させることになると思います。

 舛田氏:スマートフォンの市場を取っていくことが短期的な目標ですが、それができれば他のデバイス、例えばPC、フィーチャーフォン、スマートTVなどを含めて、より多くのユーザーに使ってもらえる環境が作れるのではないかと思っています。

 またスマートフォン市場の流れは非常に早い。少し前までは、ちょっとしたアイデアで人気が出るアプリもありましたが、海外のメジャーサービスや、日本の資本力のある会社がかなりアクセルを踏んでスマートフォン市場に入ってきますので、これまでのようにちょっとしたアイデアを、少ないエンジニアチームでどうこうするフェーズはもう終わってしまったと思っています。

 来年はまさにそういう時代がくるので、我々はそこを見据えて400人以上の開発陣、デザイン陣を率いた取り組みを行っていこうと思っています。

--最近ではまず海外からサービスを展開する企業もあります。

 舛田氏:海外を先にということはあまりないと思います。我々としてはユーザーのニーズに合ったいいものを作れば、国内外を問わず利用者が増えていくということをLINEで経験していますので、USからUKからということではなく、まずは日本でサービスを開始して、いいものであれば自然と広がっていくと思っています。

 そういった状況ができてくれば、さらに成長させるために投資する。LINEを筆頭にそういったケースを増やしていきたいですね。

--統合後は社員数が1000名を超えますね。

 出澤氏:現在は大崎(NHN Japan/ネイバージャパン)と新宿(ライブドア)にそれぞれのオフィスがありますが、来年の9月を目途に渋谷ヒカリエに集結する予定です。ただし、ネイバージャパンとライブドアの連携スピードをより上げていくために、ライブドアにいる社員を100名ほど2月から大崎のオフィスに先に移動させ、連携を進める予定です。

--最後に新体制に向けた意気込みをお願いします。

 出澤氏:激動でもありチャンスでもあるこのタイミングに、これだけのアセットを持った陣容で戦いに出られることを、非常に楽しみにしているのが正直な気持ちです。早い段階でプロダクトインして、是非ユーザーの皆さんにご評価いただきたいと思っています。

 舛田氏:色々なご心配をされる方がいらっしゃると思いますが、基本的にはブランドは継続していきますので、そこは変わらないところです。ただし、統合したからには変わったところも示していかなければいけないと思っているので、開発陣であったり、それぞれタイプが異なるサービスモデルを組み合わせて、新たな価値を提供したいと考えています。

 このタイミングで統合するからには、我々としては全勢力を傾けてスマートフォンでナンバーワンを目指していくと。どんな新しい価値を生み出せるのか我々自身も楽しみにしますので、是非ユーザーの皆さんにも楽しんでいただければと思います。

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