--製品化にはかなりの技術力が必要なようですが、開発にはどれくらいの期間がかかったのですか。
Jimmy:シリコン半導体を使って放射線を測定する技術は10年くらい前から存在しており、当社では2年前から試作機を作り始めました。何度か試作を重ねた際、iPhoneとつなげて使用することで、かなり精度の高い放射線測定器を作れることがわかったんです。
その後3月11日に東日本大震災が発生し、福島原発のことを知りました。日本では放射線測定器の必要性が高まっていましたが、市場に出ている多くの製品は私達の製品に比べ精度が劣り、さらに高価格で販売されていた。その現状を見て、もう少し手頃な価格で供給できると思い、4月末から製品化を進めました。
--福島原発の事故が製品化のきっかけになったのですか。
Doug:RDTX-PRO、RDTX、HRDTXは、福島で被災された方たちをできる限り復興支援しようという思いから始まった製品です。市場では品質が低いにも関わらず、高価格な放射線測定器が売買されている。その中で私たちの製品を発売すれば、必ず受け入れられると考えました。低価格の放射線測定器を販売することで、少しでも被災地の役に立ちたいと思っています。
--8月のRDTX-PROに続き、低価格版としてRDTXを発表されましたね。中身はどう違うのでしょうか。
Jimmy:コストを抑えるために、シリコン半導体を小さくしさらに複数搭載したものを使っています。これにより誤差は±10%(RDTX-PROは±5%)と若干大きくなりますが、価格を2万1000円(RDTX-PROは3万4800円)まで抑えることができました。また、RDTX-PROはiPhoneと接続しなくても単体の放射線警報探知機として使用できますが、RDTXではその機能を省いています。
--今以上にコストを下げることは可能ですか。
Jimmy:現時点ではこれ以上下げると信頼性の面で問題がありますね。やはりクオリティは維持したいですから。そういう意味ではRDTX-PRO、RDTXはクオリティと価格のバランスのとれた製品だと思っています。
ここまで価格を下げられた理由の一つは実はiPhoneにあるんです。iPhoneにつなげることで、洗練されたCPUと高度なアルゴリズムを利用できる。これで高性能と低価格を両立できました。
--製品と同時に提供されているiOSアプリも大変わかりやすいですね。
Jimmy:専用アプリradTESTには、瞬間値や累積数値などがわかる専門家向けの表示と、安全圏や注意圏などがわかりやすくグラフィック化された簡易ディスプレイ表示の2つを用意しました。言語は日本語を含む10カ国語に対応しています。現在はiOS版のみの展開ですが、Android版の準備も進めていますし、iPad用に最適化されたバージョンもリリースする予定です。
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