一緒に汗をかき経営課題に立ち向かうIT企業に--日本マイクロソフト - (page 3)

「マイクロソフトのクラウド」だからこそのメリット

 次のテーマは「クラウド技術の活用」だ。企業が新たな事業を興そうとする場合、先行者利益による競争優位を確立するために、とにかく早期に立ち上げたいというニーズが生まれる。クラウド技術は、その「最短の時間と最小の初期コスト」での事業立ち上げにあたって、有用なものであると山賀氏は言う。

 ここでは、実際に同社のクラウドサービスである「Windows Azure」を使ってサービスを短期間で開始した映画チケットの販売サイト「ムビチケ」の事例が紹介された。

 ムビチケは、さまざまな配給会社から提供される映画の前売り券をオンラインで購入し、対応した劇場の座席予約も合わせて行えるサイト。多くの映画館の予約システムでは、直近数日前からの予約しかできないケースが多く、前売り券を購入した場合にはインターネットでの座席予約が行えない。こうした消費者側の不満を解消し、配給会社と映画館、消費者間の新たな接点を提供すべくスタートしたサイトだ。

 ムビチケのシステム開発を担当したシステムコンサルタントは、これまで.NETでの開発実績とノウハウを多く持つ企業。.NET開発での知識やノウハウをクラウドに展開できるのもWindows Azureの大きなメリットだとする。

 システム構成の詳細は、サーバープラットフォームビジネス本部クラウド&アプリケーションプラットフォーム製品部部長の吉川顕太郎氏によって紹介された。ムビチケのシステムは、Windows Azureの香港データセンターで稼働しており、アクセスの急増や閑散期の縮退運用にも柔軟に対応しているという。また、ウェブブラウザからのアクセスのほか、Windows Phone対応サービスも展開している。

 ムビチケの事例では、.NET資産の流用と既存スキルの有効活用が可能だった点や開発生産性の高さなどから、参入準備期間を大幅に短縮できたとしている。また、サイジング環境、開発・デバッグ環境、テスト環境、本番環境の構築が容易な点や、予期しない負荷の増減にも従量課金で対応できる点、運用管理コストが低い点などから、全体にかかるコストの大幅な削減が可能だったとしている。

 柔軟なスケーラビリティ、従量課金モデル、低コストといった一般的なパブリッククラウドのメリットに加えて、「オンプレミス資産との相互運用」「多様な開発言語のサポート」「SLAと企業向けサポートの提供」といった要素が、Windows Azureを選択した場合のメリットとして強調された。

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