グーグル、モトローラ買収でパートナーがライバルに?--MSにチャンス到来か - (page 2)

Roger Cheng (CNET News) 翻訳校正: 佐藤卓 高橋朋子 湯本牧子 吉武稔夫2011年08月16日 13時21分

 掲載されたコメントはいずれも、今回の買収によってGoogleが特許紛争を防いでくれるとの期待について述べられたものだ。だが、どのコメントを見ても、新たに生じる競争力学に関して一切触れていない点がかえって目を引く。

 サムスンは、Googleと競合する可能性についてこれ以上コメントすることを拒んだ。他の携帯端末ベンダーからもコメントは得られていない。

 一方、Microsoftはこの機会を利用して自らの独立性をアピールしている。

 MicrosoftでWindows Phone部門のプレジデントを務めるAndy Lees氏は、「真にオープンなモバイルエコシステムに広く投資することは、業界にとっても消費者にとっても同じように重要だ。『Windows Phone』は、すべてのパートナーに平等な機会を提供しながらそのような投資ができる唯一のプラットフォームになった」と述べた。

 Googleのモバイル事業を率いるAndy Rubin氏は、HTCが製造したNexus Oneに始まりサムスンの「Nexus S」へと続いた「Nexus」プロジェクトについて、今後もさまざまな携帯端末パートナーに対して開かれたプロジェクトあり続けると言明した。

 Nexusプロジェクトは常に、Androidが提供できる最新かつ最高の機能をアピールするプラットフォームという位置付けだった。たとえば、Nexus Sは「Android 2.3」(開発コード名「Gingerbread」)を搭載した最初のAndroid端末であり、さらに「Google Wallet」やモバイル決済に利用できる近距離無線通信(NFC)チップを備えている。

 だが今回の買収によって、Androidから生まれる最新のソフトウェアや機能をMotorola Mobilityが最初に手に入れることになると予想する向きは多い。アナリストらによると、Googleがフラグメント化(分断化)の防止に向けた取り組みをやや強化する中、今後Motorolaは標準的なAndroid搭載端末に注力し、「MOTOBLUR」の影が薄くなりそうだという。

 その結果として、他のAndroid搭載端末ベンダーは、自社の携帯端末をさらに差別化する取り組みを進めざるを得なくなるかもしれない。

 ベンダー各社が、「Android Market」やデフォルトの検索エンジンをGoogleに設定してあるブラウザなど、Googleサービスの利用促進に不可欠なAndroid向けアプリケーションを見直す可能性さえある。

 Gartenberg氏は、「(他のベンダーは)よりいっそうの差別化を迫られるだろう。これまでにも増してカスタマイズに力を入れる必要がある」と語った。

 Nokiaと緊密に連携する取り決めを交わしたことでMicrosoftと他のベンダーとの間にいくらかさざなみが立ったように、GoogleがMotorola Mobilityを買収するとなれば、ベンダー各社は再度Windows Phoneプラットフォームに目を向けることになるかもしれない。

 「おかげでベンダーは板挟み状態だ」(Gartenberg氏)

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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