管理能力を放棄してしまうマネージャータイプとは--3つの落とし穴を考える - (page 2)

John McKee (Special to TechRepublic) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子2011年05月24日 07時30分

2.信条が「誠実一筋」の部門長:こういったマネージャーは長い時間をかけて、今後発生するであろう問題を語ろうとする。また、「真の状況」を部下に理解させることができるのは自分しかいないと考えている場合も多い。さらに、部下が不適切だと感じたポリシーや手順について質問しにきた場合、マネージャー層しか知り得ない内部情報をさらけ出してでも、その部下の力になる必要があると考えてしまうこともよくある。

 部下は企業の抱える問題について理解を深めるかもしれない。しかし、それで問題が解決されるわけではない。

3.最高政治責任者:企業環境のなかには、自動的に交通情報が配信される最新型のGPSをもってしても、社内に渦巻くエゴや、小さな過ちすべてを迂回することができないというところもある。そういった環境に身を置くマネージャーは、否応なく社内政治に巻き込まれることになる。そうなった場合には常識など通用しないはずだ。

 こういった上司は、あなたに対してこっそり助言を与えてくれる。「君はこれがとても政治的な問題であることを理解しなくてはならない。肩書きは関係ない。実際に『誰』がものごとを、どのように進めているのか知っておいてほしいんだ」といったことを語りかけてくるわけだ。

 この手のマネージャーはいずれも、自らのマネジメント力を放棄してしまっているのである。彼らは有能なマネージャーにはなれないだろう。

 また、いったん自らのマネジメント力を放棄してしまうと、それを取り返すことはほぼ不可能となる。つまり「軟弱なマネージャー」というレッテルを貼られてしまうと、誰からも頼りにされなくなるわけである。ただ、こういったことは自覚しづらいうえに、マネージャーとしてのスタイル自体は賞賛されたり、高い評価を得ることさえある。

 とは言うものの、本当に重要なものごとはあなたを素通りするようになる。そして、昇進で先を越され、不当な扱いを受けているように感じることだろう。あなたがキャリアの向上を目指しているのであれば、「マネージャーとしての筋力」を最大化しておく必要があるだろう。

 そのためには、マネジメントにおける以下の法則を覚えておいてほしい。

  1. 誰もあなたのマネジメント力を奪い取れはしない。あなたが放棄しない限り失われることはないのである。
  2. マネジメント力がみなぎっている人ほど成功を手にしやすい。マネジメント力に勝っている人は、他の人が成し遂げられないことを成し遂げられるとも言える。そして上司は、ものごとを成し遂げられる人を見逃さないはずだ。
  3. マネジメント力がみなぎっている人は、マネジメント力の高い人と親密に交流するようになる。その結果、彼らのマネジメント力はよりパワフルになっていくというわけだ。
  4. 泣き言を言う人と親密に交流しても、自らがよりパワフルになるわけではなく、キャリアの向上に役立つわけでもない。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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