「わたし(こちら)」という言葉を含む発言は、「あなた(そちら)」という言葉を含む発言よりもリスクが小さい。一人称の人称代名詞を使うと相手を責めているように感じられにくいため、後ろ向きな対応をされにくくなる。例えば、「そちらからのメールが来ていません」と言うのではなく、「こちらではメールを受け取っていません」と表現するといい。
扱いにくい人物が出したアイデアについて議論する時には、なるべくそのアイデアと人物とを切り離すようにすべきだ。特に何か懸念がある場合には、その懸念はアイデアに関するものであるということをはっきりさせた方がよい。それでも相手は攻撃されたと思うかも知れないが、その危険は減る。例えば、「あなたのアイデアにはいくつかの問題がありますね」ではなく、「そのアイデアにはいくつかの問題がありますね」と言うようにするのがいいだろう。
同様に、扱いにくい人物が自分のアイデアにコメントした場合も、自分自身とアイデアを切り離し、客観的に考える必要がある。アイデアに対する批判ならば、気に障り方も軽くなるだろう。
わたしは以前、求職者向けの面接を受けるスキルについての記事で、面接を受けた際には後でお礼状を出すべきだと勧めた。ところが、わたしのこのアイデアにはひどい反論を受けた。ある人物は、もし自分がそのような礼状を受け取ったら、他の人も笑えるように掲示板に貼り出すだろうとコメントしたのだ。
もちろん、このコメントは馬鹿げているとわたしは思ったが、そうは言わなかった。あるいは、そのコメントの投稿者自身がおかしいとも言わなかった。ただ単に、そんな風に感じる人がいるのは残念であり、わたしの提案はわたしの育てられ方に基づいているのだとだけ返事をした。さらに、自分の礼状をそんな風に扱う会社があれば、そもそも働いていて幸せになれる職場ではないとも言った。つまり、わたしは自分がそう述べた理由を述べ、議論はしたが、その人物自身は攻撃しなかったのだ。
扱いにくい人物に対応する際にも、同じアプローチが役に立つだろう。踏みにじられたままになっている必要はないが、相手に合わせて自分の品性を落とす必要もない。自分の持っている事実と論点だけを述べ、プロフェッショナルな態度を保つべきだろう。
扱いにくい人物は攻撃に回るのが好きで、他の人たちを守勢に回らせるのを好む。そういう相手に対しては、立場を逆転させることを試みるといいだろう。例えば、誰かが「それをやるのは無理だ」と言ったとしたら、相手に「あなたには何ができるのか」と聞いてみてもいいだろう。もし「その日程までには準備はできない」と言ったとしたら、「その日程までに準備ができない要因はどういったものか」と聞いてもいい。
相手が難しい性格の持ち主であっても、その人物からスキルを学んだり、洞察を得たりすることはあるだろう。そうした場合には、相手に感謝の意を伝えるべきだ。ただし、その時には誠実な態度を取った方がよい。おべっかを言おうとしている人間には嫌気がさすものだ。ヒントとしては、そのような人物に対して感謝の意を伝える時には、微笑まないようにした方がいい。その方がより誠実な態度に見える。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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