Bill Gates氏は2006年、自身の財団により多くの時間を費やすため、自ら設立したMicrosoftでの日常業務から退く時だと決断した。Gates氏は2008年、忠実な補佐役だったSteve Ballmer氏に仕事を任せたが、この移行がスムーズだったとは言い難い。
「Windows Vista」や、包括的なモバイル戦略の欠如、そして極めて採算性の悪いインターネット部門など、Gates氏の退任以来Microsoftを苦しめてきたことの多くは、Gates氏の下で着手されたことだ。しかし、初期のテクノロジ業界を象徴する人物の1人であるGates氏が、従業員や投資家から集めていたような信頼を、Ballmer氏は得ていないように思える。むしろBallmer氏は、Appleが影響力と時価総額の両方でMicrosoftを追い抜くという、かつてなら考えられなかったようなことを、自分の目の前で許してきた。さらに、ここ数カ月でMicrosoftの最高幹部4名中3名が退職していることもあり、いずれ自分自身の後継者問題に直面することになるかもしれない。
トップ交代が遅すぎたかもしれない企業が、Sun Microsystemsだ。同社を長年にわたって指揮していたのは、明確なビジョンを持ち、エネルギーに満ちたScott McNealy氏だった。Sunは、1990年代におけるクライアントサーバコンピューティングの台頭に不可欠な役割を果たしたほか、ウォール街のバックエンドシステムを供給し、当時始まったばかりのインターネット業界が軌道に乗るための機器を提供した。
しかし、SunはMcNealy氏の在任中に2つの大きな動向を見逃している。低価格のソフトウェアを使った安価なサーバを互いにつなげて、巨大なアレイとすることが広まったことだ。これは、Sunの巨大で高価なサーバとは対照的なモデルである。Sunは2000年初頭に遅ればせながらこの点を理解するようになったが、それは本当に遅すぎた。McNealy氏が自ら選んだ後継者のJonathan Schwartz氏が会社再建のためにできることは何もなかった。最終的に、シリコンバレーで最も愛される企業の1つだったSunは、安値で買収され、Oracleの1部門となってしまった。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。
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