「われわれは、幅広いものでありながら、適切なところには焦点を絞ったものを得ようと努めている」。Whitten氏は28日、米CNETに対しこのように語った。Whitten氏のチームがプライバシーの一線を越えたと判断した製品機能に対して、同氏は必ずしも拒否権を持つわけではないが、そのような製品の責任者に連絡して、例えば問題を引き起こすコードを削除したり、デフォルト設定を変えたりするよう主張することになる。
同氏によれば、各責任者は自身のチームが製品を出荷する前に追加のレビューを受け、製品で使用する個人データの種類、個人データの収集方法、個人データに関する計画について同意する必要があるという。その目的は「ほぼすべてを把握するのに十分なチェックとバランス」を実現することだが、Whitten氏は、Googleがすべてを把握できるような方法は存在しないことを認めている。
それにしても、Whitten氏は何を達成できるだろうか。プライバシー関係者の中には、同氏の任命は批判を封じるための宣伝行為だと考える人もいるだろう。また、重要なプロジェクトの責任者と社内で対立したときに、同氏がどれだけの影響力を行使できるのかは不透明だ。
そのことが、プライバシー関係者や一般の人々に働きかけるという同氏の2つ目の業務へとつながる。「われわれには、Stephen Jay Gouldとなって、(データに対するアプローチを)説明する方法を見つける責任が大いにある。不可解なことは、人をおびえさせるものだ」。同氏は、進化論についてのエッセイを多く書いていることで知られる科学者の名前を挙げてこのように語った。
Whitten氏はロンドンに住んでおり、Googleのエンジニアリングチームのほとんどが8時間の時差があるカリフォルニア州で勤務しているにもかかわらず、ロンドンのオフィスで業務を続ける予定だ。同氏によれば、Googleは米国よりも欧州で強い批判に直面しており、その理由の1つは、欧州の多くの人が「プライバシーは基本的人権だ」と信じていることだという。欧州に住み、欧州中を飛び回ることで、そのような懸念をより深く理解することには価値があると同氏は考えている。また同氏は、マウンテンビューで5年間勤務した経験を活かして、米国のGoogle従業員との関係を維持し、社内の適切な人に確実に連絡することができる。
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