日本ではいまだにInternet Explorer (IE) 6のユーザーが多いというのも、Microsoftにとって恥ずべきことだ。セキュリティ面で大きな問題を抱えたブラウザを使い続けなくてはいけない状況など、決してあってはならない。すでにIE9のベータ版が出ている時代にIE6ユーザーがいるなんて、Microsoftのテクノロジモデルがひどいと示しているようなものだ。
Salesforce.comの場合、新バージョンや新機能は世界中のユーザーに一斉に提供開始する。これはブラウザ依存もなく、マルチリンガル対応だからこそ実現できることだ。日本語バージョンは英語バージョンより遅れて提供するといったこともない。すべてのユーザーは平等であるべきなのだ。
データクラウドは、4月に買収を発表したJigsawが提供していたサービスだ。約1億4200万ドルの現金と、業績に応じて買収価格の最大10%まで上乗せして支払うという契約で合意に達した。これはわれわれにとって金額的にも非常に大きな買収だ。
Jigsawは、2200万にものぼるビジネスコンタクトを持っている。こうしたデータベースはDun & Bradstreetなどの企業も持っているが、通常このようなデータベースは人手を使いリサーチして集めることが多い。しかしJigsawはWikipediaのようなモデルを採用し、120万人以上で構成されているコミュニティがデータベースを更新しているのだ。
もちろんJigsawは、Salesforce.comのCRMと連携している。例えばJigsawでデータが更新された場合、自分に関係のある人の情報であればChatterにフィードが流れ、CRMのデータも更新される。このインテグレーションは非常に大切だ。いくらアプリケーションが良くても、中に入っているデータが正確なものでなければ意味がないからだ。
買収に関して詳細は話せないが、ひとつ言えることは、われわれは常に顧客の声に耳を傾けているということだ。顧客の成功に結びつくような製品がわれわれにとって重要な製品なのだ。
先ほども述べたように、現在Salesforce.comでは、セールスクラウド、サービスクラウド、データクラウド、コラボレーション、Force.comという5つの分野を手がけているが、これらの分野はすべて数百万ドル規模の市場とされている。それぞれの市場の成熟度はさまざまで、セールスクラウドはすでに熟しており、データクラウドのJigsawやコラボレーションのChatterはまだ新しい市場だ。つまり、これからも成長の余地があるのだ。
われわれが今後もエンタープライズクラウドコンピューティングのリーダーであり続けることは間違いない。ただ、もしかすると10年後はこの業界に存在するすべてのソフトウェアがクラウド化されているかもしれない。そうなれば、われわれはクラウドのプラットフォームプロバイダーになっているだろう。すべてのアプリケーションがクラウド上に存在するというのは、われわれの長期ビジョンでもあるのだ。
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