Cathay Pacific Airwaysの最高経営責任者(CEO)であるTony Tyler氏もCoby氏に同意しており、Appleのモバイルテクノロジによって、旅行者はコンシューマーとやり取りを行うITシステムがさらに使いやすくなることを期待するようになったと述べている。
同氏はカンファレンスにおいて「ほとんどの人にとってのITエクスペリエンスは、スマートフォンやiPad上のアプリケーション操作であり・・・彼らは(そういったテクノロジが)適切に機能し、スムーズかつ直感的に使えるということを肌で感じている」と述べている。
また同氏は「Appleが基準を押し上げることに成功した結果、われわれのITシステムもその基準に合致させることができるはずだと顧客は考えている」と付け加えている。
とは言うものの、iPadに代表されるApple製品の使いやすさを見習うというのはなかなか簡単にできることではない。カンファレンスに出席していたCIOたちは、プロセスやテクノロジをシンプルかつ使いやすいものにすること自体が複雑になってきていると主張している。そして、Apple製品のようなシステムを実現するための主な障壁の具体例として、情報が事業部門ごとに保持されているという、企業にありがちな問題を挙げている。
Cathay Pacific AirwaysのCEOであるTyler氏は「企業が事業部門ごとに持っている情報を統合するということは、現在のようにITが分散されている状況では不可能に近い」と述べている。なお同社は最近になって、各事業部門が情報やシステム、プロセスを握り込むことになる、事業部門単位でのIT要員の配属という従来のアプローチを撤廃し、情報管理業務モデルを再構築している。
コンシューマーの求めるような直感的で使いやすいシステムを作り上げるには、航空会社1社のみの情報基盤を整備するだけではなく、業界全体の情報基盤も整備する必要がある。航空機の利用客はしばしば複数のキャリアを使って移動を行っている。IT部門の責任者たちもこの点を指摘している。では、そういったインフラをサポートすることはできないのだろうか?
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