頻繁なバージョンアップによる最新技術のサポートは、進化の早いこの業界では極めて重要なファクターである。そしてこの秋にはAndroid 2.2のリリースが控えている。コードネーム「Froyo」として知られているAndroid 2.2は、先日行われたGoogle I/Oにおいてその概要が発表され、続いてソースコードが公開された。Pruett氏はAndroid 2.2のポイントとして「スピード」「新API」「ブラウザ」「Androidマーケット」の4つを挙げている。
まずスピードに関する特筆すべき点として、Dalvik VMへのJIT(Just-In-Time)コンパイラの搭載が挙げられた。Dalvik VMはAndroid上でアプリケーションを動作させるための仮想マシンであり、Javaクラスファイルから生成されたバイトコードを実行することができる。このDalvik VMに、実行時にコードの最適化を行うJITコンパイラが搭載されることにより、Javaプログラムの実行速度は2〜5倍に高速化されるという。
そして、新APIで特徴的なのはCloud to Device Messagingだろう。これはクラウドからAndroid端末に対してメッセージを送信できる仕組みを提供してくれるもの。これによって自作のアプリケーションからGoogleクラウド経由で端末に対して信号を送ることが可能となるため、例えばGoogle Mapsで検索した場所の座標を端末に伝えるというような仕組みが実現できるという。
その他にも、アプリケーションのデータをクラウドに保存するApplication Backup APIや、SDカードにアプリケーションをインストールするApps on SD Card、端末をWi-Fiのホットスポットとして利用できるようにするWiFi HotSpotなどといったAPIが追加される予定。WiFi Hotspotは、PCなど他のデバイスからAndroid経由でネット接続できるようになるため、外出時のネット利用環境の充実を促すものとして期待度の高い機能である。
Android 2.2では、Javaプログラムだけでなくウェブブラウザ上で実行されるJavaScriptも高速化される。Google Chromeと同じV8 JavaScript Engineが搭載されるためで、これによってJavaScriptコードの実行速度は2〜3倍早くなるという。図2.1はPruett氏が見せてくれた同エンジンのデモである。ベンチマークプログラムのSunSpiderを利用したもので、実行速度が早いほどマスコットが速く泳げるというものだ。
4つ目のポイントであるAndroidマーケットに関しては、アプリケーションの自動更新設定が可能になることや、全てのアプリケーションをまとめて更新できる機能が追加されることなどが紹介された。現在はアプリケーションが更新された場合には通知エリアにそれが表示され、更新したい場合にはひとつづつ手動でダウンロードしてインストールする必要がある。Android 2.2ではこれを自動でダウンロード/インストールするように設定したり、全部をまとめてインストールできるようになるとのこと。多数のアプリケーションをインストールしている場合などには特にうれしい機能である。
Pruett氏はさらに、上記4つのポイント以外の注目すべき動向として次の項目を挙げている。
Google Developer Day 2010 Japanは、9月28日に東京国際フォーラム(メイン会場)および京都リサーチパーク(サテライト会場)にて開催されることが決まっている。公式サイトでは6月28日より事前登録の受付が開始されているが、3月に開催されたDevFest 2010 Japanと同様、参加資格を得るには登録締切後に送られてくる「DevQuiz」に回答しなければならない。これはより熱意のある開発者に参加してもらうことを狙いとした試みとのことなので、我こそはと思う方はぜひチャレンジしてみるといいだろう。
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