しかし、そこから1つの疑問が生まれる。リアルタイム検索の質をそれほどまでに左右しているものが、自社コンテンツのライセンスを許諾するかどうかという民間企業の意思なのだとしたら、リアルタイム検索は企業の思惑によって断片化してしまう可能性はないだろうか。純粋に例として挙げるのだが、例えばGoogleがTwitterのコンテンツを独占し、MicrosoftがFacebookのコンテンツを独占して、相手をリアルタイム検索から排除しようとすることがあり得ないだろうか。
今のところ、Twitterは正攻法をとっているようだ。同社は、ユーザーが支払える金額に基づいて自社コンテンツのライセンスを許諾するとともに、最近ではいくつかの小規模デベロッパーにもアクセスを許可している。また大方の予想では、検索コミュニティーはいずれ、Googleが支援する「PubSubHubbub」のようなリアルタイムストリーミング標準に落ち着くだろうと言われている。
それでも、Rupert Murdoch氏のようなパブリッシャーが特定の検索エンジンとの間で独占契約を結ぶという脅しを実行に移すようなことがあれば、リアルタイムコンテンツのパブリッシャーも自社コンテンツの真の価値を理解するようになると想像しても、行き過ぎではないだろう。Twitterは現時点でのリアルタイムコンテンツ界の寵児だが、2015年のSXSWiではMySpaceのような立場にある可能性も想像できないわけではない。
メディア企業が、以前のように情報発信が遅いモデルに戻ることはできない。リアルタイムコンテンツの世界では、もはや締め切りは存在しない。そして日を追うごとに、ますます多くの一般の人々が、日々の生活の中で考えたことや愚痴、こまごまとした出来事などを発信すれば読んでくれる人たちがいることを認識し始めている。
その結果起きているのが、コンテンツの爆発的な増加だ。いつの日かウェブ全体をインデックス化するというGoogleの最高経営責任者(CEO)Eric Schmidt氏の夢を押しつぶしたのは、このようなことだった。そもそも夢物語だったのかもしれないが、今となってはそれが実現しないことは確実だ。
よって、検索エンジンが自身の関連性を維持しようとするなら、このコンテンツを理解しなければならない。そしてソーシャルメディアネットワークが自社のコンテンツを検出可能なものにすることができない限り、自身が望むようなコンテンツ検出エンジンになることはないだろう(検索エンジンの広報担当者たちはすでにそうなっていると信じたがっているようだが)。
リアルタイム検索の重要性が高まるのは今後数年間だけだろう。例えば、YahooのMicrosoftとの検索契約には、リアルタイムのインデックス化とランキングの作業は含まれていない。Yahooはそれを非常に重要なものであるため与えるのは惜しいと考えているからだ。
「われわれは(リアルタイム検索を)非常に戦略的で重要な資産だと考えており、今後も大規模な投資を続けていくつもりだ」(Seth氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」
パナソニックのV2H蓄電システムで創る
エコなのに快適な未来の住宅環境
OMO戦略や小売DXの実現へ
顧客満足度を高めるデータ活用5つの打ち手
企業や自治体、教育機関で再び注目を集める
身近なメタバース活用を実現する