「Google Buzz」を考える--Facebookキラーとしての可能性 - (page 3)

文:Caroline McCarthy(CNET News) 翻訳校正:川村インターナショナル2010年02月17日 07時30分

 筆者はここに、Google Buzzがユーザーを獲得できる可能性があると考えている。Google Buzzは、短文によるマスコミュニケーションという点ではTwitterと同じだが、特殊な用語であふれ文字数が切り詰められたTwitterの文化に飛び込む必要性も欲求も感じないユーザーを対象としている。John Mayerの不遜なメッセージを読んだり、JetBlueのお得情報を入手したりするためにTwitterを使っているが、実際に自分でアップデートすることはないというユーザーにとっては、Google Buzzは完全に別物の製品かもしれない。良きにつけ悪しきにつけ、Google BuzzはユーザーのGmailに強引に入り込む。

 しかし、広く普及したソーシャルネットワークを人々の生活から奪い取るのは、はるかに難しい。連絡先のインポートは非常に骨の折れる作業であり、Facebookがそれを容易にすることは決してないだろう。

 さらに、Google Buzzは、Facebookよりも優れた何かを提供できるということを、まだ証明していない。Google BuzzがしたことでFacebookがしていないことといえば、ジオタグ付きのステータスメッセージを有効にしたことだけだ。これはFacebookでもいずれサポートされる可能性が高いだけでなく、ジオロケーションは決してメインストリームに受け入れられているとはいえない機能であり、平均的なユーザーには気づいてもらえない公算が大きい。また、Google Buzzの正確なプライバシー仕様に対する当初の疑念によって、Facebookより「安全」だという、一般的に考えられていた優位性が失われてしまったかもしれない。

 人々がWebサービスを見捨てる理由はいくつかある。ユーザー体験が悪い、技術的に停滞している、ユーザーが新しいことを十分理解できないために戻ってこない、別のサービスに乗り換える現実的な金銭的動機がある、といったものだ。かつて飛ぶ鳥を落とす勢いだったAOLのダイヤルアップサービスは、より高速なケーブルおよびDSLプロバイダーがより安い価格をつけたために失速し、そのきらびやかなソフトウェア機能は、ウェブ上のより安価で洒落たテクノロジと競合した。Friendsterの創設者は、米国内での人気が急激に落ちた理由として、技術的な問題を挙げた。MySpaceの「新しい友人と出会おう」という文化と、音楽が鳴り響く派手なプロフィールページの蔓延は、多くの成人ユーザーにとって興ざめするものだった。

 現在のところFacebookは、テクノロジが廃れかけているという問題は抱えていないし、金銭面で何らかの特典を提供する新興の代替サービスに直面しているわけでもない。そしてGoogle Buzzは、少なくとも公開時点においては、新しいことを十分には提供していない。

 その上、庭いっぱいのバーチャルな豚たちを飼育する方法が一切ない。このことは、多くの人々にとって何らかの意味を持っているようだ。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ

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