ライバルに勝ち抜くオープンゲームの運営方針、iPhoneへの対応--モバゲータウン責任者に聞く - (page 4)

永井美智子(編集部)2010年02月15日 08時00分

 スマートフォンも順調にユーザーが増えていますが、今までiモードなどのケータイインターネットをヘビーに使っていた人たちは、ほとんどiPhoneに移っていないんです。そうではなくて、PCでインターネットを使っていて、ケータイは通話くらいしか使っていなかった層が、「iPhoneはPCと同じように使えるんだ」ということで普通のケータイを捨て、iPhoneを買っているんだと思います。

 要は、PCインターネットのトラフィックがiPhoneに流れてきているということです。モバイルインターネットというくくりで言えば、プラスになっている。現に、NTTドコモが月次で発表している1人あたりのPVは順調に伸びています。このトラフィックが減るようなことがあれば、いまのケータイヘビーユーザーもスマートフォンに流れはじめた兆しになりますが。

  • NTTドコモのiモードユーザー1人が1日にウェブアクセスする数(NTTドコモ公開資料より作成)。2009年12月には1人1日100PVに達した

 ある一定のタイミングになってきたら、当然スマートフォンもターゲットにしたいと思いますが、まだ小さい市場なので、国内ではなくかなりのユーザーがいる海外向けにサービスを提供してノウハウを積み、良いタイミングでそのノウハウを使って日本でも展開しようと思っています。そんなに遠い時期ではなく、市場が1000万台規模になる前には対応しないといけないとは思っています。

 ただ、スマートフォンと今のケータイがどこまで区別されていくのか、というところはあります。特にAndroidはオープンソースなので、iモードも使えるようになればあまり差がなくなってくると思っています。

――ソーシャルゲーム市場はどの程度まで伸びるでしょうか。

 半年くらい前までは、2〜3年で1000億円くらいの規模になると思っていました。しかし、現在の状況を見るとそれ以上になりうると思っています。2000億〜3000億円という大きな市場になる可能性を秘めていますね。

――今後市場を伸ばすには、収入の多い高年齢層の獲得が重要になりますね。

 ARPUは年齢が上がる方が高くなりますので、30〜40代のユーザーをどう増やすかというのは非常に重要です。ただ、例えば怪盗ロワイヤルでウインクをしてコメントを残されたので返事をするとか、「セトルリン」(※編集部注:DeNAが開発したモバゲータウン内のコミュニケーションサービス)で挨拶されたので返すといった方が、コミュニケーションがしやすいんですね。

 いくらバーチャルコミュニティとはいえ、10代の人のようにまったく気兼ねなく他人に話しかけるというのはハードルが高いんですが、ゲームを通してとなれば変わります。いままでのコミュニティは10代のほうが活動が活発だったんですが、ソーシャルゲームの場合は30代のほうが活発なので、ゲームから入ってコミュニケーションをしていくというのは、自然と受け入れやすいのかなと思っています。

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