ライバルに勝ち抜くオープンゲームの運営方針、iPhoneへの対応--モバゲータウン責任者に聞く - (page 2)

永井美智子(編集部)2010年02月15日 08時00分

 これはモバゲータウンをオープン化した背景にもつながるのですが、もともとは2009年春ごろ、世界的にソーシャルアプリがブームになっていて、中でもソーシャルゲームは伸び率が大きく、しかも収益モデルが成り立ちはじめていた。日本でもこのブームが来ないわけはないと思いました。

 ソーシャルゲームは自社の弱い分野だったので、大きく強化しないといけないと考え、2009年の5〜6月ごろに内製でソーシャルゲームを作りはじめました。5〜6本をモバゲータウンで提供したところ、「結構うまくいくかな」という手応えを感じたんですが、ソーシャルゲームを30本作るにはリソースも足りないし、そこまでスケールさせていくのは簡単ではないと思ったんです。

 けれどもユーザーのことを考えると、ジャンルも含め色々なニーズに対応する必要があります。しかもエンターテインメント系のコンテンツなので、3カ月〜1年で入れ替わるライフサイクルになるだろうと。

 モバゲータウンのユーザーに質の高いものを数多く投入していかないといけないと考えたとき、内製だけでは応えられないので、開発者に幅広く参加していただこうということでオープン化することにしました。

――mixiにもゲームを提供していますが、ユーザーの動向の違いなどはありますか。

 mixiとモバゲータウンはプラットフォームとして考え方が違うので、カニバらない(ユーザーの奪い合いにならない)だろうと判断しました。実際、両方のプラットフォームで利用が伸びています。ARPUの違いはありますが、mixiの課金収入も順調に拡大しています。

 広告収入については、mixiのレギュレーションが変わって(※編集部注:2009年はmixiアプリモバイルのページビュー(PV)に応じて1PVあたり0.03円支払われていたが、2010年からは利用ユーザー数や広告のクリック率を加味した金額に変更された)、今後どうなるかわかりません。基本的には課金で儲けられるようにしたいと思います。

 mixiの場合、(PVに応じて広告料をゲーム提供者に支払っていたので)プラットフォーム側がリスクを負っていますよね。広告が売れなかった場合でも広告料を支払う必要があるので、逆ざやになる恐れがある。

 これに対してモバゲータウンの場合、CPC(クリック課金型広告)やCPA(成果報酬型広告)が中心です。商品が売れたゲームを支援しようという考えでアドプログラムを提供しています。もともと「ポケットアフィリエイト」という広告商品をDeNAとして持っていたので、それを入れればすぐにできたという理由もあります。

――内製アプリの開発体制は。

 基本的には、1ゲームごとにエンジニア1人、企画者1人というペアでやっています。エンジニアが自分でサービスを考えてコードを作るというのが一番早いですから。ソーシャルゲームというのは遊んでみないとよくわからないんです。なので、プレゼンテーション資料を作る暇があったらコード書け、と(笑)

 使いやすさやさくさく感を求めるときに、何人かでつくると(使い勝手が)ちぐはぐになる。1人で全部開発を完結させたほうが、一体感のある使い心地の良いものができるんです。

――2010年内にどのくらい内製ゲームを出す計画ですか。

 3カ月以上先のことはわからないですね。エンジニアが増えるのに応じてゲームが増えていくと思うので、優秀なエンジニアを募集しているところです。

――他社と共同で出しているゲームもありますね。

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