映画「アバター」制作の舞台裏--リアルな視覚効果を生み出した2大スタジオの共同作業 - (page 4)

文:Daniel Terdiman(CNET News) 翻訳校正:川村インターナショナル2010年01月06日 07時30分

 従来、CGIを多く使った映画での大規模な爆発の炎は、実写で撮影され、その後で視覚効果が追加されていた。しかし、Knoll氏によれば、Cameron氏の「アバター」用テンプレートに合わせるという制約から、実写でこの映画に求められる爆発を表現する実際的な方法はなかったという。

 「われわれは、以前にもCGによる爆発シーンを作成したことがあった。しかし、これほどのリアルさ、そしてこれほどのクローズアップでは、初めてだった」(Knoll氏)

 幸いILMは、「ポセイドン」や「パイレーツ・オブ・カリビアン」といった映画で、流体の視覚的な動きのレンダリングを開拓してきた。そしてKnoll氏は、爆発の形状と運動の力学が水に似ていることを知っていた。

 「同じ基本エンジンがこのシーンにも使われている。基本となる気体の動きは、液体の動きに似ている。この媒体は比較的圧縮されにくい。そのため、媒体が運動するとき、体積が劇的に変わることはない。片側を押すと、反対側にあるものが押し出される」(Knoll氏)

 つまり、ILMは過去の映画で流体の映像作成用に開発したグラフィックスエンジンを利用して、同じ基礎技術を「アバター」の爆発シーンに応用することができた。流体と大きな炎の間には明らかにいくつかの大きな相違点があるが(最も顕著なこととして、燃料が燃えるに従って炎は拡大し、その後、燃料がなくなると炎は収縮する)、それらを表現する手法は似ているので、技術を「アバター」のニーズに合わせることができた。

 「クローズアップでリアルに見える爆発を特別に作成する上で、これが(業界にとって)重要な手法になると思う」(Knoll氏)

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ

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