個人的に最も興味があり、注目しているものは「ソーシャルアプリケーション」です。ミクシィやディー・エヌ・エーが自社プラットフォームをオープンにしたことで非常におもしろい市場ができていくと思います。現在はまだオープン間もないこともあり、お祭り状態かと思いますが、2010年中には何社か成功するベンダーさんも出てくるのではないでしょうか。
特にモバイル系のアプリケーションは、バイラルの仕組み次第では信じられないような速度でユーザー規模を拡大させていくので、コンテンツそのものの力を持ちつつ、強力なパートナーと提携したり、組織体制としても本腰を入れたりできるところだけが残るようにも感じています。
将来的な話では、Zyngaをはじめとした世界でも成功している大手ソーシャルゲーム会社さんがアジア進出、モバイル進出する際に、国内の有力ベンダーを買収するなどもありえそうなので、非常にワクワクしています。
ソーシャルゲームは少額課金がしやすく、マネタイズ面でも他のアプリケーションと比較しアドバンテージが大きいですし、普段あまり接しないようなSNS上の友人と気軽なコミュニケーションが取れるので、新しいコミュニケーションの形としても注目しています。
既存オンラインゲームとの差別化が難しいですが、学生時代にNintendo64などで、友人数人とワイワイ盛り上がっていたものが、オンラインにやってきたという感じがしています。
まず注視すべきなのが、エンタープライズにおけるソーシャルの発展です。特に「ソーシャルCRM」が脚光を浴びつつあります。従来のCRMでは顧客は単なるデータに過ぎませんでしたが、ソーシャルCRMでは顧客を個々の活動ストリームを持つソーシャルグラフのノードとして扱おうとしています。企業におけるTwitterのサポートサービスへの活用事例はその萌芽でしょう。
もう1つは、少々技術寄りですが「OAuth WRAP」に注目しています。これは、現在Webサービスのマッシュアップに利用されている「OAuth」プロトコルの後継規格として提案されているものです。
保護されたリソースに対するWebサービスAPIの利用シーンをより広範に規定するとともに、実装において大幅な単純化を狙っています。先行する「Facebook Connect」などのソーシャルAPIにおける成果を取り入れたものになる予定であり、国内SNSの対応の如何も興味深いところです。
2010年に注目するのは以下の2点だ。
電子書籍:すでにKindleで先行している米Amazonの電子書籍販売に対し、Appleがタブレット型機を出して全力で追っかけていくだろう。この流れを受け、国内でも、新聞社が電子新聞の試験サービスを開始したり、出版社も既存の電子コミック以外のコンテンツについても電子化したりするだろう。
ITのコモディティ化:ITを利用したサービスがますますコモディティ化する。エンタメ性が強いコンテンツや実用度が高いサービスを、ITに興味のないターゲットに直接アピールするという一般消費財的なプロモーション手法が中心になる。反対に、エンタメ性・実用性のない、ハイテクマーケティングが対象とする先進的ユーザーにターゲットを絞ったサービスは次第に衰退していくだろう。
2010年は、海外展開で成功するサービスが出てきそうな気がします。
イラストSNSの「pixiv」は日本で大ヒットしていますが、このコンテンツは海外でも人気が高いため、海外展開しても成功する可能性が非常に高いと思われます。競合に対しても、日本独自のコンテンツが大きな強みになりますし、イラストは言葉の壁も越えやすいでしょう。海外展開出来て競争優位性もあり、日本で一番グローバルサービスに近いところにいるかもしれません。
また、「プーペガール」もすでに2割が海外ユーザーと聞いています。日本独自のファッション文化は海外でも人気なので、グローバル展開に大きな可能性を感じています。
携帯電話でフルHD動画を当たり前に撮る世の中になっていって、それをどのように循環させるかにおもしろみがあると感じています。
今より気軽に高画質カメラを誰もが持ち出せるようになるのですから、携帯写真が当たり前になったように、動画も高画質化することで、誰もの当たり前になっていくと感じています。
その時に、何のために撮るのかをしっかりと考えて提案してあげる必要があると思うし、その提案が今の生活をもっと楽しくしていくと信じています。私たちの開発する「LoiLoScope」も、2010年は、動画を使って人と人をつなげるコミュニケーションにもっと力を注いでいきます。
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