「2010年はこれだ!」--テクノロジーベンチャー経営者17人の着眼点 - (page 2)

岩本有平(編集部)2009年12月31日 23時55分
  • 小林清剛
    小林清剛 ノボット 代表取締役社長)

     2010年はスマートフォンの普及が先進国に留まらず、発展途上国を含む世界中でさらに加速すると考えています。具体的には、iPhoneやNOKIAのスマートフォンに加えて、Android、Windows Mobileを搭載したスマートフォンが世界中に広く出回るでしょう。

     そして、多くの人がどこでもネットにつながる環境を手に入れると、この変化を受けて多数のサービスが今以上に発生します。特に、モバイル環境でのSNSを軸としたサービスやアプリケーション、広告ビジネスの規模も急激に拡大すると見ております。

     一方、複数のスマートフォンOSやプラットフォームの登場により、サービスプロバイダーやアプリの開発者、ユーザーなどの関係者のニーズも急速に変化し、従来のサービスとのギャップが発生していきます。そのギャップを見極め、先手を打てる企業が、2010年には注目されてくるのではないでしょうか。

     我々ノボットも市場機会をとらえて、日本に留まらず世界を見据えたサービスを今後多数ご提供していきたいと思います。

  • 納家一寛
    納家一寛 Parmy 代表取締役社長)

     2010年は、ミニブログがコミュニケーションの基盤となるでしょう。なぜならミニブログは、コミュニケーションに関する人間の3つの欲求、すなわち(1)寂しさを解消したい、(2)自己表現したい、(3)評価されたい――という欲求を、SNSやブログなどの既存サービスよりも効果的に満たしうるからです。

     第一に、非同期的なコメントや足跡よりも、リアルタイムな交流ができるミニブログでは、人間の温かさが身近に感じられます。また第二に、推敲力が必要な日記やブログより、字数の少ないミニブログは、言語化されずにいた感情や意見を表現しやすいという特徴があります。をうぃて第三に、発言障壁の低いミニブログは日記やブログよりも反応を得やすく、存在価値を感じやすい仕組みを持っています。

     Parmyでも、3欲求を高水準で満たすおしゃべりミニブログ「セレンド」によって、2010年に新しいコミュニケーションプラットフォームを生み出したいと考えています。

  • 林隆弘
    林隆弘 HEROZ 代表取締役)

     注目するITトレンドは、Web 2.0からWeb 3.0(ソーシャルグラフを主体としたレコメンデーション)への時代の変革です。具体的には、mixi、モバゲー、GREE、Ameba、Facebookなど大手ソーシャルネットワーキングサービス(SNS)各社のオープン化に注目しています。

     情報の氾濫が起きている現在、もう一度情報の集約が起こるのではないでしょうか。 具体的には、他人ではなく、知り合いからの情報(Know who)がより貴重になる可能性が高いと考えます。

     HEROZでも、そのオープン化されたSNS各社に、ソーシャルグラフを結びつけるためのより豊かなコミュニケーションとエンターテインメントに特化したソーシャルアプリケーションを展開していきます。

  • 片桐孝憲
    片桐孝憲 ピクシブ 代表取締役社長)

     2010年の注目点をトレンド、サービスに分けて挙げてみます。

    ■トレンド
    ソーシャルゲームに代表されるノンバーバルコミュニケーションの拡大:絵文字やクリックのみでの挨拶等、非言語的なコミュニケーションが拡大しそう。サービスやコミュニケーションのカジュアル化が進むと予想。

    位置情報を使ったアプリやリアルな場所や時間と連動したサービス:ネットブックやiPhone等のスマートフォンの普及に合わせて位置情報やリアルな場所や時間を使った新しいサービスが盛り上がるはず。

    ■サービス
    Ameba(サイバーエージェント):Amebaブログを中心としながら、アメーバピグやプーペガールといったキャッチーなサービスが次々生まれているのが「イケてる」と思います。アイテム課金や広告ビジネスがうまいので見習いたいところです。

    mixi(ミクシィ);mixiは国内のソーシャルゲームプラットフォームとして、ナンバーワンになると思います。2010年は、日本に本格参入するFacebookとの競争に注目です。

    Lang-8(ランゲート):教育系のサービスは、エンターテイメント系のサービスに比べると急成長しにくい分野のサービスですが、世界のユーザーを集めるという難しいマーケティングに成功しつつあるのでサービス運営者としても注目しています。

  • 熊谷祐二
    熊谷祐二 フォリフ 代表取締役)

     2010年はソーシャルアプリとリアルタイム検索に注目している。具体的には以下の3点だ。

    mixi:GREEやモバゲータウンなど、ほかの国内SNSと比較しても、リアル色の濃いソーシャルグラフを持っている。ゲームにとどまらずさまざまな意思決定にソーシャルグラフが関与してくると思うので、その際にリアルなつながりであるかどうかはとても重要になると考える。mixiの成功がこの市場の成長の鍵を握ると思うので非常に注目している。

    ソーシャル○○ベンダー:ソーシャル○○とは“ソーシャルグラフを活用した何か”という意味。上記のとおり、ショッピングをはじめとして生活のあらゆる意思決定にソーシャルグラフが活用されると思う。ここに新たな光を見出せる企業・個人に期待。価値あるデータベースを保有している企業の参加も市場の成長に欠かせないと思う。

    リアルタイム検索:twitterが流行ったことでリアルタイムに情報を得られるようになった。GPSなどで人やモノの位置を特定するのもリアルタイム検索の一種だと思う。パーソナライズド検索の意味合いも含まれてくるが、そういった情報を加工して、そのとき、その人に合った情報を提供できるサービスが生まれてくると思う。

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