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PS3の内蔵ドライブをSSDに換装--パフォーマンスレポートアップデート版

文:Sarju Shah(GameSpot) 翻訳校正:川村インターナショナル2009年12月14日 08時00分
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 「PlayStation 3」に搭載されているようなハードディスクドライブ(HDD)は、省スペース性に優れている。しかし一般的には、小型化には妥協が伴うこととなる。製造業者は主に省電力化と熱放射の削減を目指してHDDを設計するため、パフォーマンスが二の次になってしまう。ソニーはゲーム機をなるべく小型にしようとして、省スペースのHDDを使わざるをえなかったようだ。その結果、アクセス速度は遅くなり、ゲームのインストール時やロード時、そしてプレイ時にいつもそれを実感させられる。少しでも処理スピードを上げたいのであれば、5400rpmの内蔵HDDをそれよりも若干速い7200rpmのHDDに交換することができる。しかし、これでは根本的な解決にはならない。それよりは、「Tool Time」を見習って、次世代のソリッドステートドライブ(SSD)に挑戦したいところだ(「Tool Time」:DIYをテーマにした米国のテレビコメディ)。従来のHDDにはモータと回転するプラッタがあり、その両方が電力を消費し、熱を生み出している。一方、SSDには可動部分がまったくなく、メモリカードやUSBメモリで使われているようなNAND型フラッシュメモリを基盤とする。SSDは消費電力がわずかで、従来のHDDに比べて熱放射もはるかに少ない。動作音も皆無でパフォーマンスも優れているが、唯一の問題はその価格にある。

 SSDは決して新しいものではない。ただ、その登場時からほぼ一貫して価格は高く、60GバイトSSDの価格は数年前で約1000ドルだった。お世辞にもお手ごろとはいえない価格であるが、それより少し前はさらに高価格だったのだ。そしてコンピュータ業界のあらゆるものと同様、このテクノロジが主流になるにしたがって、SSDにも価格の大幅な下落、容量の拡大、そしてパフォーマンスの向上が続いている。

SSD(右)      裏側      接写     

 2008年にわれわれは、SuperTalentのエントリーモデルである60GバイトSSDがPlayStation 3でどのように動作するかテストした。しかし結果は、このアップグレードはコストに見合わないことを物語っていた。ロード時間は短縮されたが、インストール時間が長くなってしまったのだ。昨今のSSD価格は、小容量の32Gバイトモデルであれば100ドル台まで急激に下がってきており、少し予算を増やせば120Gバイトモデルが300ドル弱で手に入る。256Gバイトモデルの価格はその容量に比例して高くなり、650ドル超となっている。

 われわれは今回、サムスンの256GバイトSSD「MMDOE56G5MXP」を使い、薄型PlayStation 3でどのように動作するかを実験した。このモデルをPCに組み込んで行った事前テストでは、読み込み速度220Mバイト/s、書き込み速度は動作プログラム次第で160〜190Mバイト/sというすさまじい速度が確認できた。なお、薄型PlayStation 3に内蔵のHDDでは、読み込み速度65Mバイト/s、書き込み速度48Mバイト/sという結果だった。書き込みおよび読み込み速度が32Mバイト/sであった従来のPlayStation 3のHDDに比べれば、薄型PlayStation 3での数値もかなり速くなっている。

 PlayStation 3へのSSD取り付けには、さほど時間はかからない。ネジが非常にきつく、ネジ穴をつぶしやすいことを除けば、作業は単純かつ容易である。SSDはHDDと同様に通常のシリアルATA接続が可能で、PlayStation 3のHDDトレーにぴたりと収まる。取り付けるプロセスは、薄型PlayStation 3の場合も、HDDスロットの位置以外はほとんど変わらない。

薄型PlayStation 3 SSD Performance

(Shorter bars indicate better performance)

Game Installation Time - Minutes

Devil May Cry 4 - Stock Drive
17.9
Devil May Cry 4 - Samsung SSD
17.9
Grand Theft Auto 4 - Stock Drive
8.6
Grand Theft Auto 4 - Samsung SSD
8.8
Assassin's Creed 2 - Stock Drive
4.5
Assassin's Creed 2 - Samsung SSD
4.4

XMB to Game Menu Load Time - Seconds

Devil May Cry 4 - Stock Drive
39
Devil May Cry 4 - Samsung SSD
34
Grand Theft Auto 4 - Stock Drive
98
Grand Theft Auto 4 - Samsung SSD
87
Assassin's Creed 2 - Stock Drive
52
Assassin's Creed 2 - Samsung SSD
50

Save Game Load Time - Seconds

Devil May Cry 4 - Stock Drive
6
Devil May Cry 4 - Samsung SSD
6
Grand Theft Auto 4 - Stock Drive
15
Grand Theft Auto 4 - Samsung SSD
10
Assassin's Creed 2 - Stock Drive
22
Assassin's Creed 2 - Samsung SSD
18

Test System Setup: 薄型PlayStation 3 Stock Hard Drive - Hitachi 5K500 120GB, Samsung 256GB SSD

パフォーマンス

 今回のゲームインストールテストは、Blu-rayドライブからのインストール時で、サムスン製SSDの超高速の書き込み速度も効果はみられず、数秒の差こそあったが、薄型PlayStation 3に内蔵のHDDとほぼ同じパフォーマンスだった。この結果は、薄型PlayStation 3に搭載された2倍速Blu-ray Discドライブの9Mバイト/sという転送速度に起因すると思われる。SSDであろうがHDDであろうが、ドライブ側が高速になるだけでは効果はないようだ。

 通常、ゲームのインストール作業は1度きりであり、書き込み速度は目安の1つにすぎない。一度インストールしたら、あとはセーブデータをロードしたり、ステージのロードを待ったり、クロスメディアバー(XMB)からゲームを起動したりすることになるが、SSDはこうした場面で力を発揮する。「グランド・セフト・オートIV」では、ゲームの起動とセーブデータのロードにかかる時間の両方でかなりの時間短縮がみられた。「アサシン クリードII」や「デビル メイ クライ 4」では、セーブデータのロードに関してはSSDの効果はほとんどみられなかったが、XMBからロードした際は数秒の短縮が確認できた。SSDの優れた読み込みパフォーマンスによってロード時間がゼロになるわけではないが、ロード時間の短縮につながることは確かである。とはいえ、インストール後もゲームディスクへのアクセスは不可避であるため、Blu-ray Discドライブの性能の限界は再び問題となりそうだ。

結論

 650ドルという価格を考えると、サムスン製256GバイトSSDの購入を勧めるのは難しい(さらに言えば、その4分の1の容量と値段のモデルでも同様だ)。新品の家庭用ゲーム機を2台購入できる価格となればなおさらである。SSDへのアップグレードに効果があるのは確かだが、パフォーマンスの期待度により見合った価格に下がるまでアップグレードは勧められない。SSDを自分のマシンに組み込み、そのハイパフォーマンスを存分に享受する計画は、現時点では胸に秘めておくのが良いだろう。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ

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