各国のサイトは、国別に異なるプロモーションやニュース情報等を中心のコンテンツとし、製品・サービス情報は日本サイトのコンテンツと共通の内容を持つ形となります。
コストを重視すれば、共通の内容は各国サイト側では保持しない対応もありますが、アメリカなどはサイトのコンテンツ量がサイト品質として重視される場合もあるため、その点は考慮が必要です。
次に、各国(または地域)のサイトは何語で作成すれば良いでしょうか?基本的には、以下の言語が候補となるでしょう。
自動車や不動産、家電製品のように、地域内で製品・サービスが利用されるような場合には、「その地域内のユーザー」が当然多くなります。そのため、言語は英語ではなく、現地語が重要となります。
ただ、日本企業がアメリカに進出するようなケースでは、日本人がアメリカのサイトを見て物品や不動産の購入、検討を進めることは十分考えられるでしょう。現地語以外の言語の必要性については、ターゲットとするユーザーやウェブサイト制作・運用負荷を勘案しつつ判断していく形になります。
複数の国や地域にサイトを持つ場合、どこまで構造やトーン&マナーを合わせるべきか、という問題も発生します。
これには、ユーザーにとっての使いやすさ、企業サイドの制作・運用コスト、企業としてのブランディングの統一性の3点のバランスを考えることになります。
結論としては、「ビジネス上主要なマーケットで行ったユーザー行動観察調査(ユーザビリティテスト)の結果から、ベースとなるサイト構造と、トーン&マナーを規定し、他の地域は、必要な範囲で個別にカスタマイズする」という対応が良いと考えられます。
例えば、ヘッダ、フッタやナビゲーション位置、主なコンテンツ群、製品・サービスの紹介ページの内容などは、ある程度統一される形になります。
ユーザーをゴールに導くことにフォーカスすれば、人(文化)ごとに習慣などが変わるため地域ごとにサイトを個別に最適化をすることがベストとも言えますが、製品・サービスをサイト内で探索する行動や、購買までの基本的な意思決定プロセス、必要な情報は国籍や地域で大きくは変わらないことが、弊社が北米、アジア、ヨーロッパなど全世界12か国の国籍のユーザーを対象に実施したユーザー行動観察調査(ユーザビリティテスト)でも分かっています。
※ヤコブニールセン博士の「eコマース・ユーザビリティガイドライン」では、アメリカ人とデンマーク人について、ECサイトの使い方、情報の検索方法、意思決定プロセスが異ならないという内容が記述されています。
とはいえ、国(または地域)により、扱っているサービスやマーケティングアプローチ、表記法、色・デザインに対する捉え方等が異なるため、独自性に配慮し、幅を持たせる必要はあります。
例えば、アメリカなどでは「贈る」という文化があるため、ECサイトにおいてギフトを前面に出すようにカスタマイズすることは良いでしょう。日付、住所などの表示も地域用にカスタマイズすべきです。また、ヨーロッパではサイトの見た目のデザインを重視する傾向もあるようですので、これに応じた調整も考えられます。
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