ハードエラーはハードウェアにおける回復できない問題であり、ランダムな宇宙線などの事象によって引き起こされる一時的な問題であるソフトエラーよりも、発生する確率が高い。同論文は、この結果は興味深いものであり、その理由は「多くの先行研究では、(コンピュータのメインメモリに一般的に使われている)DRAMではソフトエラーの方が優位なエラーだと仮定されていたため」としている。
新しいメモリモジュールは、電子機器をより緊密に詰め込んでいるため、エラー率が高いのではないかという懸念があった。「実際は、一般的にDIMMの容量が増えているにもかかわらず、最新の3つのプラットフォームで使用されているDIMMでは、訂正可能エラーの発生率が2つの古いプラットフォームよりも低かった。これは、技術の向上によって、DIMMの容量を拡張することによる負の傾向に対応できることを示している」と同論文には書かれている。
研究者らがこの結論を導いた根拠の1つは、あるメモリモジュールでの1つのエラーが、別の訂正可能または訂正不可能なエラーの発生を予測するための良い判断材料になるということだ。さらに悪いことに、エラー率は時間とともに上昇する。
「経年数は、エラー率に驚くほど大きい影響を早い段階で与えることが分かった」と論文では述べている。「経年劣化は、訂正可能なエラーの発生率の増加という形で、使用開始後わずか10〜18カ月で始まる」
Googleは、エラーがよく発生するメモリモジュールを交換しているが、ECCメモリを使っていない一般のコンピュータユーザーが問題を特定するのは難しい。パーソナルコンピューティングの初期から1990年代までは、メモリの信頼性が非常に低かったため、信頼性試験が行われていた。
しかし、そうした試験が、もしかするとOSソフトウェアに組み込まれて、復活することもありうるとGlaskowsky氏は述べている。「エラー率が十分に高ければ、メモリ試験を再び行うという議論が起こるかもしれない」
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ
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