たとえば、「きのこの山」と「たけのこの里」はどちらが、どの地域で好まれているかを調べようとしたときに、地域検索の結果から単純に「きのこの山は石川で人気」、「たけのこの里は青森が極端に多い」などと決めつけることはできない。
上の図で青森が極端に赤くなっているのは、たけのこの里が青森で爆発的に売れているのではなく、青森に「たけのこの里」という同名の施設があるためだ。
「地域性が出ていることを発見したら、さらに検索したり、周辺事情を調べたりして“裏をとる”作業をしないと、本当にそれが正しいのかがわからない」(池宮氏)
「増毛」というキーワードは北海道から多く検索されているが、これはもちろん北海道に薄毛の人が多いわけではない。増毛という地名が北海道にあるためだ。「このワードはなぜこの地域からよく検索されているのか」という“検索されている理由”を見つけるのが難しいという。
「これを知らずに『北海道は増毛を考えている人が多い』と結論付けたらまずいですね。こういうことを調べていたらあっという間に日が暮れますが、面白いです。クイズにして出題してみたいですね」(池宮氏)
地域検索に時間軸を取り入れると、桜前線の移動がわかる。「お花見」というキーワードが検索された地域を、1日単位でつなげると、鹿児島、大分と徐々に北上していくのがわかる。
花の見ごろや気候など、検索とは無関係に思えるものが、検索のデータを使うことでふかん的に見えてくる。
インターネットサービスの名前で検索してみたところ、これも興味深い結果が出た。最近人気のミニブログサービス「Twitter」は東京が極端に多かった。
すでに多くのユーザーを獲得しているソーシャルネットワーキングサービス「mixi」は関東と全国の大都市で多く検索されている。
動画サービス「ニコニコ動画」もまんべんなく広がっている。
「ヤフーの検索データは、日本全国の人の“欲求”が集まったすごいもの。単純なランキングだけではなく、時間帯や地域などとひもづけると面白いものが見えてくる」と池宮氏は言う。地域検索を使うと、その地域に住んでいる人が何に興味を持っているかがわかる。ビジネスにも応用できそうだ。
一般公開が待たれるところだが、まだYahoo!ラボの規模が小さいため、大量のデータを処理する準備ができていないという。「現在のところ地域検索を公開する予定はないが、社内でも公開したほうがいいんじゃないかという声があるので、ゆくゆくは出るかもしれないですね」(池宮氏)
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