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大人へのゲームとは何かを追求したい--「ヘビーレイン」の開発に携わるGuillaume氏にインタビュー

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 ソニー・コンピュータエンタテインメントが今冬に発売を予定しているPS3用ソフト「HEAVY RAIN(ヘビーレイン) -心の軋むとき-」において、開発を担当したフランスのQuantic Dreamの代表であるGuillaume氏にさまざまなお話を伺った。

「HEAVY RAIN -心の軋むとき-」は、とある事件に関わる4人の物語を描いたサイコ・サスペンスゲーム。ただストーリーを進めていくだけでなく、不可解な事件を追う中で選択することになる会話の種類や順序、細かい行動の違いによって、リアルタイムに物語が展開するシステムが採用されている。

 今回、東京・赤坂のSCE社屋においてGuillaume氏に「ヘビーレイン」制作に際してのお話を伺ったので、その時の内容をお伝えしていく。

「ヘビーレイン」開発時の話や、本作にかける想いが語られる


--まず「ヘビーレイン」の概要や特徴を教えてください。

ヘビーレイン インタビュー時にはデモプレイを交えて解説も行ってくれたGuillaume氏

Guillaume氏:「ヘビーレイン」はサイコスリラーをテーマに、今までのゲームとは違う概念を取り入れたゲームになっています。ゲームはストーリーを軸に進んでいきますが、プレイヤー自身が監督にも、役者にも、そして脚本家にもなってストーリーを進めていくことができます。



--プレイヤーの行動によって異なる展開が待ち受けていたり、エンディングも多数用意されているとのことですが、開発にはどれくらいの期間がかかりましたか? また、開発時の苦労点などもお聞かせください。

Guillaume氏:「ヘビーレイン」には70以上もの異なるシーンが存在し、メインキャラクターは4人ですが、登場キャラクターは100人以上いるビッグタイトルですので、開発は150人以上のスタッフで3年間かかりました。

 選択と結果が重要なゲームですが、まずはコアなストーリーを開拓することから始めました。また、分岐を作る上では、無闇に分岐を作ると制御がきかなくなってしまうので、他の分岐にどんどん分岐してしまうような作りにはしないように心がけました。

 もちろんこれまでに培ってきた脚本を書くテクニックもあり、私たちはそれを「輪ゴム」と呼んでいます。「ヘビーレイン」ではゲーム中の選択や行動によってシーンの結果が変わり、それが他のシーンとリンクする場合もありますが、輪ゴムも伸ばしたりすることで形を変え、別の輪ゴムと繋げることもできる、といったイメージです。

 そうすることによって、インタラクティブであり、アクションであり、なおかつ分岐もしていくが、作品を逸脱しないように制御できるストーリーを開拓できるのです。

--4人の主人公が巻き込まれる事件が「折り紙殺人」と呼ばれていたり、作中で重要なキーワードとなっている折り紙ですが、この折り紙をキーワードにした理由は何でしょうか?

ヘビーレイン

Guillaume氏:折り紙を選んだのはディレクターのデイビット・ケイジというものですが、折り紙を使うことでキャラクターの性格を表現しています。他にも折り紙には興味深いところがあって、殺人鬼の心理にリンクさせることもできるのです。ですが、これ以上話して全てを明かしてしまったら、あなたを殺さなくてはいけなくなってしまいますね(笑)。

--ダークスリラーというテーマにした理由や、「ヘビーレイン」の制作に対する想いをお聞かせください。

Guillaume氏:私は現在38歳で、6歳の頃からゲームをプレイしてきました。32年間ずっとゲームをプレイしてきた中で、大人向けのゲームを提供したい、大人向けのテーマを表現できるゲームを作りたいという想いがありました。

 なのでこういったダークスリラーというジャンルに、大人向けのテーマを盛り込む可能性がたくさんあるのではないかと考えました。いざ制作に取り組む上では、映画の「セブン」ですとか「羊たちの沈黙」がストーリーを書く上でインスピレーションになっています。

ヘビーレイン

 ビデオゲームがただのオモチャではなく、それ以上のもの、映画や本のように文化表現の一部となり得るということを、自分たちで表現したかったのです。なので「ヘビーレイン」はゲーム業界を変えたり救ったりを目的としてはいませんが、このゲームを作ることは自分たちにとって凄く重要な意味がありました。

 もちろん私たち以外にも、「ワンダと巨像」を手がけた上田 文人さんのように、ゲームをアートとしてではなく、表現方法の1つとして追及している人はたくさんいると思います。

--長くゲームを遊ばれてきたとのことですが、日本のゲームで印象的だったものや、制作で影響を受けたタイトルはありますか?

Guillaume氏:直接的ではありませんが、色んな試みを行ったゲーム、例えば「キラー7」や「ワンダと巨像」といったタイトルがあります。そして、それをコピーするのではなく、私たちは私たちで独自のことをやろうと制作を進めてきました。そのために「ヘビーレイン」でまず最初にやったのが、今までのゲームのメカニクスなどを根こそぎ、概念から取り払い、真っ白な状態で始めることでした。

--「ヘビーレイン」の中でも特に注目して欲しい点を教えてください。

Guillaume氏:「ヘビーレイン」のストーリーは世界共通のテーマになっています。そのストーリーのコアとなる部分は「愛」。愛する人のために自分がどこまでできるのか、シンプルですが複雑なテーマを投げかけているので、その点に注目していただきたいです。

--気の早い話ですが、次に制作するゲームではどんなことにチャレンジしてみたいですか?

Guillaume氏:もちろん「ヘビーレイン」で培ったシステムを続けて活用していきたいですが、その中でも、さらに大人へのゲームとは何かを追求していきたいですね。また、ゲームで提供できる感情表現、感情体験とは何かをもっと追及していければと思っています。

ヘビーレイン

 この「ヘビーレイン」の開発エンジンとシステムがあれば、どんなストーリーでもみなさんに提供していけるのではないか、とも考えています。なのでこの形式をキープしつつ、違うストーリーを提供していきたいです。「ヘビーレイン」はダークスリラーでしたが、次はもっと別のゲームになるかもしれませんね。

 あとはオンラインの可能性を模索していたりなど、色々考えている最中ですので、近いうちに着手できればと思っています。もしかしたら、来年の東京ゲームショウで何か発表できるかもしれません。

 今言ったように「Maybe(もしかしたら)」、ですが(笑)。


【HEAVY RAIN -心の軋むとき-】

発売日:今冬発売予定
希望小売価格:未定
プラットフォーム:PlayStation3
ジャンル:サイコ・サスペンス
CERO:審査予定

「HEAVY RAIN -心の軋むとき-」公式サイト
http://www.jp.playstation.com/scej/title/heavyrain/

Heavy Rain (C) Sony Computer Entertainment Europe. Published by Sony Computer Entertainment Inc. Developed by Quantic Dream S.A.. All rights reserved.

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