“ネットとテレビ”融合させた新サービス「テレビ版Yahoo! JAPAN」--開発者に聞く - (page 3)

加納恵(編集部)2009年04月27日 13時57分

ネットと感じさせないネットサービスに育てたい

――スタートしたばかりのテレビ版Yahoo! JAPANですが、ユーザーにはどんな風に使っていただきたいですか?

住友:テレビが受身的なデバイスというのは、少なくとも後5年、10年は続くと思っています。その中でネットサービスはネットを感じさせないようにしなくてはいけないなと。ネットをテレビで使うのではなく、テレビを見ている時にたまたまネットを使っているというシーンを早く作っていきたいです。

 同じ検索サービスを使うのでも、PCとテレビではきっかけが違うと思うんですよ。そのテレビとしてのきっかけをうまく作っていけるようにしたいですね。

村上:「これネットだな」って思われているうちはまだ特殊な機能なんですよね。テレビのすごいところは見ている人が、その仕組みを理解していないところだと思うんです。ネットは「あ、サーバが重いな」とかユーザーが普通に口にしたり、ある意味配慮しながら使ってもらっている状況なんです。テレビ版Yahoo! JAPANもそうした配慮をせずに使ってもらいたいですね。

 長期的な視点としてテレビ版Yahoo! JAPANでは2つのコンテンツにこだわりたいと思っているんです。1つはとことん役に立つということ。ネットの検索って地図にしてもツールにしてもものすごく便利ですよね。常に最新の情報で、ビジュアルも付いている。ここはヤフーが最も得意な部分ですし、この役立つ情報をテレビの操作感で得られるということにこだわりたい。

 もう1つは暇つぶし用のコンテンツを提供したいんです。携帯でもPCでも暇つぶしで見ている側面て誰にでもあると思っていて、この暇つぶし用のコンテンツをヤフーが提供できたらいいなと。

――今後のテレビ版Yahoo! JAPANはテレビとネットにどんな効果をもたらすのでしょう。

坂東:テレビとネットをつなぐインフラは整いましたが、サービス的にもハード的にも過渡期だと思っていますので、ここで踏みとどまらず次の段階をテレビメーカーの方と一緒に考えていきたいです。現時点ではテレビから見るネットコンテンツとしてスタンダードな仕様にしましたが、スタンダード=誰にでも使いやすいとは限らない。そこの底上げをしていきたいと思います。

住友:効果というよりもお願いなのですが、ぜひテレビ版のウェブページを作っていただきたいです。今PCサイトとモバイルサイトと大きくわけて2つのサイトがありますが、そこにテレビサイトを加えて制作してほしい。

 今検索の段階では、テレビ版に適正化したデザインで出していますが、リンクした先はPC版のサイトです。そのリンク先もテレビに最適化されたサイトになるように、テレビ向けのサイトをどんどん作っていってほしいですね。

村上:モバイルサイトのYahoo! と見比べていただくとわかるのですが、携帯電話とテレビでは画面サイズもアスペクト比も解像度も違うのに、なんとなく似ているデザインなんですよね。これは社内に何か基準があるのではなくて、開発チーム全員が共有している思いみたいなもの。「あ、ヤフーっぽいね」というデザインに落ち着いている。こんな風に異なるデバイスにサービスを提供しても「ヤフーっぽいな」と思っていただけるもの広げていきたいと思います。

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