我々の開発に対するスタンスは「ほかのメディアが何をしているか気にしない」ということです。GoogleはYahoo!を研究しつくしたから出てきた訳ではないように、1人でGREEを開発していたときから競合を意識した開発はしていません。
上場をきっかけに、課金サービスで成功しているからという理由だけでアバターや「釣り★スタ」(釣りゲーム)と同種のサービスを提供しようという動きもありますが、それだけでは何も生まれません。
今後については、特定分野に注力するというのではなく、現在と同じことを淡々と進めていく予定です。
課金収入の内訳については開示していませんが、各種のサービスが順調に利用されています。
また、比率としては課金のほうが伸びていますが、広告収入も順調です(2009年6月期第2四半期の広告収入は前四半期比22.3%増の7億2900万円)。人材や不動産など、出稿が減っている業種もありますが総合的には成長しており、GREEがメディアとして評価されているのだと思います。
モバイルの増加が急激なため見えにくいのですが、PCでの利用も伸びています。
当初はモバイルでの利用を伸ばすことこそがPCでの利用につながるのではないかという戦略でモバイルに注力していましたが、今後はPCに最適化したサービスも考えています。
SNSの利用時間が電子メールの利用時間を超えたという調査結果も最近発表されていますが、SNSはインターネットの主要アプリケーションになったのではないかと考えています。
SNSにはまだまだ伸びる余地があります。そしてまた、SNSというものの定義自体が年々変わり続けています。最高のサービスという定義も変化し、ユーザーもまた変化し続けていきます。我々自身もサービスを変化させていかないといけないでしょう。たとえば2015年になったとき、GREEはまったく違うサービスになっているかも知れません。
Twitterなどを見ると、ユーザーのネットサービスに対する利用動向が変わってきたと感じます。かつて、ユーザーはコミュニティサービスを1つしか使わないという説がありましたが、実際のところそのようにはなりませんでした。(ミニブログのような)サービスを内包することもあり得ますが、一方でサービスはシンプルであるべきというところもあり、バランスが難しいですね。
広い意味でSNSはプラットフォーム化していくとは思いますが、その方法はいろいろとあると思います。今は我々のやり方を考えていく時期だと考えています。
今後の目標は2000〜3000万ユーザーのメディアに成長させていくことです。これは簡単なことではありませんがそう遠くない未来に実現できると確信しています。SNSでそういった規模になれば、テレビなど既存メディアと同等のインパクトを持つと思っています。
GREEは私1人が趣味で始めたもの。今は会社となり、サービスを直接開発することはなくなりましたが、今度は新しいサービスを生み出す人たちのために会社作りをしていくことで何か世の中に貢献できればと思っています。
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