まず、属性情報の場合、各CDレビューデータを解析し、音楽心理学者Kate Hevnerが作成した8つの音楽印象語群からなるレーダーチャートを作成。キーワード入力された2つのミュージシャンのレーダーチャートから「それらの特徴ができるだけ保存されるような演算を用いて足しあわせ、1つのレーダーチャートを作成します。それをもとに最も相関係数が高い順にミュージシャンを出力します」(加藤氏)とのこと。
Web印象では、キーワード検索にマッチしたページから重要な印象語を抽出し、出現頻度でスコアリング、2つミュージシャンの印象語と相関が高いミュージシャンを出力。Wikipediaでも同様にWikipedia内の情報で相関が高いミュージシャンを検索する。また、これら3つの要素すべてを使って検索できる「total」というモードも用意されている。
実際、「PerfumeとYMO」をキーワードにtotalmixで検索すると、トップには「木村カエラ」が表示される。ミュージシャンによってはまったく意外だったり、なんとなく共通項が感じられるなどの発見もある。
開発した加藤氏はミュージシャンに詳しいのだろうか。しかし、意外な答えが返ってきた。
「正直に申し上げますと、私はあまり音楽には詳しくありませんし、大学院で行っている研究とも大きくかけ離れたものでした」(加藤氏)。だからこそ「もっと多くの音楽を知りたい・探したい」と思い開発のモチベーションへとつながっていったのだという。
このシステムの最大の目的は「既存のマルチメディア検索に対して新しい可能性を提示する」という点にある。加藤氏は「足して2で割るがどこまでマルチメディア検索に貢献できるかはわかりませんが、まったく知らないようなものを検索する際には役に立ちうる発想であると確信しています」。
加藤氏は今後、サービスを利用したユーザーのフィードバックを元にRhythmiXearchのサービス拡大を行うほか、論文の投稿を目指すとしている。
CNET Japanの記事を毎朝メールでまとめ読み(無料)
ZDNET×マイクロソフトが贈る特別企画
今、必要な戦略的セキュリティとガバナンス
パナソニックのV2H蓄電システムで創る
エコなのに快適な未来の住宅環境
ものづくりの革新と社会課題の解決
ニコンが描く「人と機械が共創する社会」