また、証券取引所から承認を得ながら上場を見送った企業が3社あったほか、2年前の調査時に「IPOを検討している」と回答していた企業の半数が計画を凍結しているという。
このようにIPOによる投資回収(EXIT)が見込めないケースが多いことから、2008年度のベンチャーキャピタル(VC)の新規投資額、投資者数はともに約5割減少する見通し。投資額については1000億円程度と見込まれており、これは2006年度の2876億円の約3分の1の金額となる。銀行融資も縮小傾向にあるため、ベンチャー企業にとっては資金供給に不安を抱える状況になっている。
その一方で、このような厳しい情勢を受けて、ベンチャー企業やVCに新しい動きが見られるとVECは指摘する。海外進出や大手企業とのアライアンス戦略で成果を上げたベンチャー企業の事例も出始めたほか、VCにおいても企業の売却やM&A、インキュベーター型の投資など、IPOに縛られない投資回収手段を模索し始めているという。さらに、優遇税制制度を背景に、ベンチャー企業OBがエンジェル(個人投資家)として活躍することにも期待が高まるとした。
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