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ソニー急落が象徴する日本株崩落の市場心理

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 先週末10月24日の東京株式相場は、日経平均株価が前日比811円安の7649円と崩落した。2003年4月に付けたバブル崩壊後の最安値7607円(終値ベース)寸前まで売り込まれた。

 この日は、前日23日大引け後に発表したソニーの2009年3月期連結業績(米国会計基準)予想の大幅減額修正による株価急落が全体相場の崩落を加速させるひとつの要因となった。24日のソニーの終値は、前日比323円安(14%下落)の1972円と2000円台を割り込んだ。ソニーの株価2000円割れは、2000年3月に実施した株式分割を考慮した場合、1995年6月の1980円以来、約13年4カ月ぶりのこと。

 ソニーの業績減額修正は、売上高を従来予想の9兆2000億円から9兆円(前期比1%増)へ、営業利益を4700億円から2000億円(同58%減)へ、純利益を2400億円から1500億円(同59%減)へとそれぞれ下方修正したもの。8月中旬以降、円相場が対ドル、ユーロでともに急上昇したことで、エレクトロニクス部門とゲーム部門の合計で営業利益が1300億円減少するとしている。

 今回の減額修正の前提として、下期の想定為替レートを1ドル=100円前後(従来予想105円)、1ユーロ=140円前後(同160円)とした。また、エレクトロニクス部門で、市場環境悪化や価格競争の激化により営業利益で900億円の減少、金融分野で新株予約権付社債などの評価損などで約600億円の営業利益の減少をそれぞれ見込んでいる。

 しかし、現地10月24日のロンドン市場では、ドルは1ドル=90円台まで、ユーロは1ユーロ=113円台まで円高が加速するなど、既に下方修正の前提とした想定範囲を超えるスピードで急速に円高が進行している。これに加え、金融危機に伴う欧米の景気減速から個人消費に急ブレーキが掛かり液晶テレビ、デジタルカメラなど年末商戦の大幅な落ち込みが予想されるうえ、さらなる株価下落による保有有価証券の評価損拡大なども懸念されることなどから、市場関係者の間には「今後、さらに深刻な業績下方修正が避けられないのでは」との疑心暗鬼が広がっている。

 このソニーの業績下方修正と、それに対する市場参加者の止まらない売り姿勢が全体相場の崩落を象徴的に表しているようだ。つまり、ソニーの株価は、9月半ばのリーマン・ショック直前の3700円水準から10月23日の終値2295円まで既に約48%も下落して、業績のある程度の下方修正は織り込み済みと思われていたものが、実際にその業績下方修正が明らかになると、その内容が円高の急激な進行など現実に起きているスピードに追い付いていないと判断され、さらなる売りの標的とされてしまうということだ。

 日経平均株価が7000円割れという極端な低水準まで売り込まれている現状について「多くの投資家は、現在の日本市場の株価水準は歴史的な安値水準に低下していることは理解している。ただ、ソニーに象徴される日本を代表する国際優良銘柄が極端な売られ方するのを目の当たりにすると“買うのは本当に大底が確認されてからでも遅くはない”という保守的な心理が働いてしまう」(準大手証券投資情報部)としている。

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