PowersetはMicrosoftの検索業務で重要な位置を占めている。Nadella氏は、PowersetのテクノロジはWikipediaの索引化と検索に限られていたが、たとえ比較的狭い領域での検索結果であっても、Microsoftの検索結果を補強するために利用できると述べた。
「将来、Microsoftの検索結果とWikipediaの記事の統合を目にすることになるだろう」(Nadella氏)
Nadella氏はさらに、Powersetのテクノロジを使って、利用者の検索クエリやMicrosoftの検索エンジンが索引化するウェブページをよりよく理解できると付け加えた。「Microsoftは、この自然言語処理テクノロジが関連性を向上する上で非常に重要な手段になると考えている」(Nadella氏)
もちろん、Googleは大規模で展開の早い研究活動を行っている手強い競争相手だ。しかも、Googleは可能な限り幅広い利用を想定して検索エンジンを設計する一方で、ユーザーの検索履歴を考慮に入れることも十分に可能だ。オプションの「Web History(ウェブ履歴)」機能では、ユーザーのこれまでの行動により検索結果を調整できる。しかし、Googleの検索品質の責任者であるUdi Manber氏は2008年初め、検索結果の表示順に対するパーソナライゼーションの影響はごくわずかだと述べた。
Microsoftには、ほかにも、フリーサイズのアプローチから抜け出すための手段がある。たとえば、Nadella氏は、Microsoftは、汎用のインターフェースによる検索体験を、利用者が使っているサブカテゴリによって変えたいとも考えていると述べ、旅行、健康、画像、動画を例に挙げて、「これらの分野には、分野に特化したタスク志向の」インターフェースを用意できると述べた。
また、Microsoftは検索ビジネスを変えたいと思っていると述べ、その一例として、「Microsoft Live Search Cashback」プログラムを挙げた。このプログラムでは、検索広告のスポンサーがMicrosoftに支払う料金が、Microsoftの検索から商品を購入した人にリベートとして還元される。
今後、検索業界にもたらされるもう1つのビジネスの変化は、より高度な支払い体制への移行だ。広告主は現在、検索利用者が広告をクリックすると、その広告の料金を検索エンジンに支払っている。このモデルはコストパークリック(CPC)と呼ばれているが、支払いモデルは将来、コストパーアクション(CPA)に移行するだろうとNadella氏は予想する。CPAでは、広告主が料金を支払う前に、検索利用者側がサービスを申し込んだり製品を購入したりするなど、より多くの活動をする必要がある。
「CPCはすばらしい。なくなることはないだろう。しかし、将来、支払いモデルにCPAなどが加わることになる。Microsoftは、これによって検索市場が効率化されると考えており、非常に楽観視している」(Nadella氏)
この記事は海外CNET Networks発のニュースをシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。海外CNET Networksの記事へ
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