BDZ-A70が搭載するハードディスク(HDD)は320GバイトでMPEG-4 AVC方式により最大約105時間のハイビジョン録画が可能。十分な録画時間のように見えるが、ハイビジョン放送をそのままの画質で録画するDRモードを選ぶと地上デジタル放送で約37時間から39時間、BSデジタルで約26時間から28時間しか録画できない。ライトに使うなら不足はないだろうが、テレビ好きや家族で共有するなら500Gバイトは欲しかったところだ。
Blu-rayへの記録は片面1層の25Gバイトに最長約8時間5分のMPEG-4 AVC記録が可能。地デジのハイビジョンなら約3時間、BSデジタルのハイビジョンなら約2時間10分記録できる。
気になるMPEG-4 AVC録画での画質だが、解像感はハイビジョンのそれを残しつつ長時間録画できるので、日常での録画なら不満はない。ただし、筆者が使ったところ40インチオーバーの大画面テレビで再生して“使える”のは、25GバイトのBlu-rayに約6時間5分録画できるSRモードまでだ。それを超えると画面のノイズが気になる。ここ一番の番組を録画するならDRモードを選び、日ごろはSRモードを使うといいだろう。
Aシリーズ最大の特徴である、おでかけ転送について説明しよう。おでかけ転送の前身になる機能は、同社のアナログレコーダー「スゴ録 RDR-AX75」が搭載していた「おでかけ・スゴ録」機能だ。通常の番組録画行いながら、PSP用動画(H.264 Main Profile方式)の動画も記録する機能で、リアルタイムでPSP動画を作成するのが画期的だった。録り貯めた番組はPSPに転送することで、移動中も録画番組を楽しめる。筆者のような録画好きには好評を博した機能だった。
その後デジタルチューナー搭載機にも転送機能は引き継がれ、名称も「おでかけ転送」に変更。デジタル放送は面倒なコピーワンスになっているので、気軽に番組の持ち出しができなくなるところを、「おかえり転送」機能を備えることで、操作性を改良した。この機能は現行モデルではBDZ-A70のほかに、BDZ-X90も搭載している。
ただしBDZ-A70とハイエンドモデルのBDZ-X90が搭載する「おでかけ転送」機能では大きな違いがある。BDZ-A70シリーズから一部の動画対応ウォークマンへの動画転送が可能になった。しかし、PSPとソニーの動画対応ウォークマンでは、同じH.264方式の動画でも仕様に若干の違いがあった。
このH.264という規格には仕様によりいくつかのグレードがある。ソニーの動画対応音楽プレーヤーウォークマンは、H.264 Baseline Profileに対応する。一方PSPは画質を優先したH.264 High Profile対応になっている。H.264 Baseline Profileは、データの圧縮効率が良いので、ファイル容量を小さくできるが、画質はいまひとつ。おなじH.264形式だが、両規格には互換性はない。
すでにおでかけ転送機能を使っているユーザーは、「なぜコンパクトなウォークマンに対応しないのか?」と不思議に思う人も多かったはずだ。この両規格に対応するにはそれぞれに対応したエンコーダが必要なので、Baseline Profile用の動画作成回路の完成を待っていたようだ。BDZ-A70はH.264の「High Profile」と「Baseline Profile」の両方に対応したエンコーダーを搭載することで、PSPとウォークマンそれぞれに対応する動画を作成が可能になった。
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