[レビュー](後編)待ち焦がれた相棒は、堂々たるフラッグシップモデルだった--オリンパス「E-3」ロングタームレビュー - (page 2)

礒村 浩一 (Isopy)2008年05月29日 00時12分
オリンパス
内容:オリンパスからフラッグシップ機として登場した「E-3」。多くのユーザーに待ち望まれた「E-1後継機」としての資質と実力を、発売当初より第一線で使用してきた実感にテスト撮影を交えて本音でレポートする。
>>前編はこちらから

 E-3では基本的な四種類の仕上がり設定を選ぶことができる。「VIVID」「NATURAL」「FLAT」「PORTRAIT」「モノトーン」となる。そしてユーザーがこれらを基に好みの設定を作り上げられる「カスタム」もある。各仕上がり設定は好みに応じて調整できるようになっている。

  • VIVID

  • NATURAL

  • FLAT

  • PORTRAIT

  • NATURAL

  • モノトーン

  • モノトーンセピア調色

  • モノトーン青調色

  • モノトーン紫調色

  • モノトーン緑調色

 E-3に搭載された階調設定には、新しく「階調オート」が加わった。この機能は「シャドウ・アジャストメント・テクノロジー(SAT)」と呼ばれる技術を基に、輝度差の大きな画像において白飛び黒潰れを補ってくれるもの。画像の明るい部分を白飛びしないように抑えながら、シャドウ部分だけをソフト的に持ち上げることで、画像全体のバランスをうまくとってくれる機能だ。

 この機能をうまく利用すれば、今までは難しかった明暗差の激しい被写体でも破綻することなく撮影できるようになる。デジタルならではの露出補正といったところだ。階調設定には他にも「標準」「ハイキー」「ローキー」が用意されており、被写体にあわせて最適な階調を選べば、より被写体に適した画像を得ることができるのだ。

  • 標準 ZUIKO DIGITAL ED12-60mm F2.8-4.0 SWD 絞り優先AE+0.7EV、1/100s、F8.0、ISO100、WB5300k、NATURAL、ESP測光、手ぶれ補正IS1、ノイズフィルタ標準 建物の陽のあたる部分が白飛びをおこしており、シャドー部や木は黒潰れする直前だ

  • 階調オート SATの効果により陽のあたる部分の白飛びが抑えられ、且つ建物のシャドー部や木の暗い部分を持ち上げることで全体的に整ったバランスの写真となっている

  • ハイキー ハイライト部分を白く表現するために露出を+0.3EVほど多くしている。そのおかげで明るいイメージの写真となる

  • ローキー シャドウ部分を締まったトーンとして表現するために露出を-1EVほど落し目にしているようだ。このようにどの部分に主題を置くのかで選択する階調も変えていく必要がある

 E-3はJPEGデータと共にRAWデータでの記録ができる。JPEGは記録画像サイズと圧縮率の組み合わせを任意に選択、4通りの組み合わせを登録しておくことができるので、簡単に最適な画質選択を行うことが可能だ。さらに画像サイズMおよびSはピクセルサイズを3種類から選ぶようになっている。E-3のRAWデータは画質劣化のないロスレス圧縮で約65%のサイズとなっており、一枚あたり11Mバイト前後のファイルサイズとなる。もちろんRAW+JPEG記録もできるので、RAW+JPEG(サイズS[640x480]圧縮率B[高圧縮])といった記録方法をとることもできる。

  • 仕上がり設定は好みに合わせて微調整できる

  • JPEG画像はL[3648x2736],M[3200x2400][2560x1920][1600x1200],S[1280x960][1024x768][620x4809]の7種類のサイズとSF(スーパーファイン),F(ファイン),N(ノーマル),B(ベーシック)の4段階の圧縮率を組み合わせられる。プリセットとして設定しておけば、即座に画質変更できる

  • MおよびSサイズのピクセルサイズは事前に3種類のサイズから選択しておく必要がある

 RAWデータは撮影後に現像ソフトを使用すると露出やホワイトバランスなどの設定を変更できるので、撮影時にそれらの設定で悩んだ場合や大事な撮影などのときにはRAWデータでの撮影がお勧めだ。

 OLYMPUS Studio2.0やOLYMPUS Masterを使用してRAW現像すれば、仕上がり設定の変更やノイズフィルタ設定や階調設定を選択できる。撮影時に選択した設定以外の設定に変更することもできるので非常に便利だ。しかし同じパラメータを選択してもその仕上がりには微妙な違いが出てくるので理解した上で使用したい。

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