そんなGA-EP35-DS4の特長として、前面に押し出されているのが「Dynamic Energy Saver」と「Ultra Durable2」の2つである。ちなみにUltra Durable2はGIGABYTE独自の規格、シリーズ名であり、低発熱やパワーロスの低減、長寿命などが大きな特長となっている。GA-EP35-DS4以外にもUltra Durable2シリーズとして、マザーボードやビデオカードが複数リリースされており、同社にとっては定番となっている。
だが、ここで注目したいのはもう1つの特長、Dynamic Energy Saverという省エネ機能だ。同社ではこの機能を活用することで、最大70パーセントの消費電力低減、そして最大25パーセントのパワーロス低減が可能だという(ちなみに同社のアナウンスでは、別方式の機能でも最大58.6パーセントの省エネが可能としているので留意して欲しい)。
PCの省エネは、それすなわち省電力を意味する。消費電力を小さく出来れば二酸化炭素の排出量を減らすことになり、地球温暖化への対応策となるのだ。ならば省エネマザーボードであるGA-EP35-DS4を、「地球に優しい」製品と表現するのもありということだ。
ではそのDynamic Energy Saver、具体的にどのように働くのだろうか? 簡単に言ってしまうと負荷に応じて「マルチギアスイッチ」を5段階に切り替え、省エネを実現している。もちろん負荷が高い場合は、省エネよりもパフォーマンスを優先させ、負荷が低い場合は省エネを優先させる。
要するにDynamic Energy Saverは「多段オートマチック車」、自動的に燃費優先で細かくギアを切り替えながら走る乗用車のようなものである。「マルチギア」であるということと、「オートマチック」というのがDynamic Energy Saverのポイントである。ユーザーの操作は基本的に、設定の切り替えだけという簡単さなのだ。
似たような機能は今までにもあったが、ギアの段数が少ないため、パワーロスが大きかった。ところがDynamic Energy Saverではギアが5段と細かく設定され、それをGIGABYTEのノウハウで制御し、高い省エネ効率が実現しているということだ。また、ギアの切り替えがスムーズなため、省エネ機能によってパフォーマンス的な不満を感じることがない点だ。
面白いのは「見た目」で、Dynamic Energy Saverのギアチェンジを確認できるという点だ。GA-EP35-DS4の基板上、メモリソケットの近くにDynamic Energy SaverのLEDインジケーターが取り付けられていて、ギアの状況が光り方で把握できるのである。付属ユーティリティの方は、さらに面白い機能を搭載している。
ギアの状況が一目瞭然で把握できるのは当然としても、まず何より消費電力の状況がリアルタイムで表示されているのである(メーターモード)。そしてユーティリティの表示をトータルモードに切り替えると、使用し始めた時点からの累計が表示されるのである。一目で「ああ、このPCはこれだけ省エネできたんだ」と具体的に分かるのが、実に楽しいし、励みにもなる。
省エネのモードもレベル1から3まで、複数用意されている。さらにダイナミックにCPUの動作周波数を切り替えるスイッチも用意されている。まずはデフォルトで使ってみて、パフォーマンスに注意しながら省エネ設定を高めて行けばいいだろう。
負荷の高いベンチマークなどのソフトを走らせると、Dynamic Energy Saver上のCPU消費電力が一気に上昇する。もちろんそれに合わせてギアチェンジがすぐさま行われ、パフォーマンスがパワーロスを最小限にしつつ上昇する。この間もリアルタイムで、どれぐらい省エネになっているかが分かるというのが楽しい。単純に消費される電力の変化を追うというだけでも、大変興味深い機能である。
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