『掌(てのひら)のなかの弁証法』 Apple Mighty Mouse - (page 2)

Apple
MA086J/A
内容:アップルが、マックの登場以来21年目にして、初めてのマルチボタンマウスを発売した。当編集部が入手したこの「Mighty Mouse」を、2日間ほど試用する機会があったので、さっそくその印象を記してみたい。

繊細な「Mighty Mouse」

女性の手にも違和感なくフィットするデザイン。 (クリックすると拡大できます

側面に設けられた感圧センサ式のボタン。 (クリックすると拡大できます

360度スクロールを実現するスクロールボタン。 (クリックすると拡大できます

 Mighty Mouseは、その名前とは裏腹に、かなり繊細な感じがする……これが筆者の第一印象だ。サイズは、平均的かやや小さめといった程度で、筆者が使用しているマイクロソフト製のIntelliMouse Explorerと比べるとかなり小振りに見える。このサイズなら、リビングにおいたマックを女性や子供が使う場合にも問題ないだろうし、またラップトップ(iBook、PowerBook)とともに携帯しても邪魔にならないはずだ。

 左右ボタンのクリック感は比較的軽めで、指や手首への負担は少なく、なおかつカチッとした良好な反応が得られた。ただし、目玉の1つであるスクロールボタンのほうはどちらかというと繊細すぎて、筆者のようにやたらと指先に力が入ってしまう人間にとっては、時に頼りなさを感じることもあった。さらに、左右側面に設けられた感圧センサ式のボタンはかなり「硬め」で、しかもこれといった反応がない(画面上で「Exposeが動いた」といった視覚的な反応しか得られない)ため、慣れるまでに比較的時間がかかりそうだ。これは、全体的な感触を含め、このあたりはあくまで個々人の好みがわかれるところなので、自分の手にしっくりくるかどうかをぜひ確かめていただきたいと思う。

 スクロールボタンが実現する「360度スクロール」の機能は、他にあまり例を見ないものだ。これまで他社製品にも、縦/横に移動できるスクロールホイール付きのものはあったが、これはどちらかといえば、トラックボールに近い動きをする。アップルが説明している通り、特にiDVDやGarageBandなど横に移動することが多いソフトウェアでは、この機能が特に重宝されるだろう。筆者も実際にiPhotoの「編集」画面で試してみたが、なかなか便利なものだと感じた。

 残念だったのは、このスクロールボタンの動きが一定にしか反映されないところで、IntelliMouseのように一度に移動する距離を細かく変更することはできない。そのため、iDVDのタイムラインで長い時間前後しようとすると、かなりの回数指先を動かす必要が生じてしまう。同様に、各ボタンへのボタンの割付も至ってシンプルで、基本的にはExposeの各動作(「すべてのウインドウ」「アプリケーションウインドウ」「デスクトップ」の表示等)とDashboardの表示だけ。追加的に「その他」という選択肢があるものの、これにはアプリケーションや「Command+Tab」(起動中のアプリケーションの選択)などのキーの組み合わせしか割り当てられない。ここに、特定のアプリケーションごとに違ったコマンド(キーの組み合わせ)を割り当てられるようになれば、それだけでもかなり使い勝手が向上すると思われる。

 さらに、もうかれこれ6、7年も5つボタンを使い続けている筆者にとっては、ボタンをワンクリックするだけでウェブページ間を行き来できる(「戻る」「進む」)ことがごく自然であり、かつまた仕事上の必須要件でもあることから、右ボタンでコンテクストメニューを呼び出し、そこから「戻る」(もしくは「進む」)を選ぶという一手間がとてもまだるっこしく感じられた(何せ、回数が多いので、「チリもつもれば……」である)。これについても、ソフトウェア的に解決できるのなら、是非とも何らかの改善を望みたいところだ。

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