ココまで使える「PCサイトビューアー」 au W21CA - (page 2)

奥隆朗(編集部)2005年01月20日 00時00分
au
内容:携帯電話を用いたインターネットの閲覧は、便利であるが1つ問題がある。それは、専用に構築されたサイトでない限り、きちんと閲覧できない点だ。カシオのau端末「W21CA」は、Operaブラウザを搭載することで、そうした問題を解決した製品だ。

PCサイトの閲覧はストレスなく使える

 次に、「PCサイトビューアー」の使い勝手に目を向けよう。同機種では、2.4Mbpsでの高速通信が可能なため、ページの表示が非常に早い。以前、DDIポケットのOperaブラウザを搭載した「AH-K3001V」を試したことがあるが、32kbpsの通信速度にストレスを感じた記憶がある。さすがに数値通りに80倍にはならないが、はるかに快適だ。

 また、画像がすべて表示される前に、代替え文字が表示されるため、必要なページまでは次々と読み飛ばすことができる。これにより、体感速度はさらに向上している。「PCサイトビューアー」とは異なるが、「着うたフル」をダウンロードして試聴する際にも、WINならではの高速通信を実感できた。

 モニターは、240×400ピクセルと、現在の携帯電話の中ではもっとも表示できる情報量が多い。だが、縦に長いモニターであるため、通常のWebサイトを閲覧するには使い勝手が良くない。そこで、モニターのサイズに合わせて縦方向にページの内容を再構成する「スモールスクリーン」モードが用意されている。これにより、PC向けのWebサイトも携帯向けに作られたサイトのように閲覧できる。

スモールスクリーンで表示させると、全体的に縦並びに変更される

モニターは回転し、外向きにもなる。サイドのボタンは「PCサイトビューアー」のショートカットとしても利用できる。

 「PCサイトビューアー」のユニークな機能として、特定ページを待ち受け画面に設定できる機能が挙げられる。これを使って、決まったページに定期的にアクセスして最新の情報を取り込めるので、ニュースサイトなどのチェックに有効に利用できる。

 ブラウザの操作性は良好だ。これは、方向キー以外にも、さまざまなボタンにショートカットキーが割り振られているためで、画面表示の切り替えや画像表示のON/OFF、1画面分の上下スクロールなどが各ボタンで行える。操作に慣れれば、快適なブラウジングが可能になると思われる。

 JavaScriptなども問題なく動作するので、いろいろと便利に使えるが、メール機能と連動できない(mailto:タグを無視してしまう)ことや、画面メモでしかページを保存できないことなど、若干の不満も残る。

本体機能は秀逸でシンクロ機能も便利

モニターは大画面で明るく見やすい

カメラ用のライトの輝度は高い

 一方、そのほかの機能を見ると、さまざまな部分で秀逸な点が光る。まず、優れているのがデジタルカメラの機能だ。CCDは200万画素で、従来機種の320万画素と比較すると見劣りするが、フォーカスロックの機能が使えるのが便利である。通常のカメラと同様に、シャッターボタンを半押しするとオートフォーカスがロックされる。このため、構図の自由度が大幅に向上しているのだ。

 モニターは先にも述べたように、大画面に豊富な情報量が表示できる。ASF形式で保存した動画ファイルを再生させることもでき、再生するとステレオツインスピーカーや、サラウンド技術「DiMAGIC Virtualizer X」による音声と、詳細な画面表示が相まって、なかなか迫力ある視聴感が味わえるのだ。

 また、写真登録が可能なカレンダーやタスクリストなど、ビジネス/プライベートで役立つ機能が装備されている。クレードルには、USB端子が装備されており、パソコンと接続することで、データ転送やスケジュールのシンクロができるようになっている。

クレードルは撮影した画像を表示するスタンドになるほか、USBを介してデータ転送もできる

「Mysync Suite」を使うと、スケジュールやタスクリストの同期が行える (クリックすると拡大できます

 パソコン用のドライバーは付属のCD-ROMに添付されており、ここに「MySync Suite パーソナル」というデータシンクロソフトの体験版が含まれている。「MySync Suiteパーソナル」には、アドレス帳やスケジュールを管理する「パーソナル」、写真を管理する「アルバム」、データを転送する「データフォルダ」、パソコンの画面をキャプチャーして転送する「キャプチャー」の機能が利用できる。

 「パーソナル」では、スケジュール以外にもタスクリストの編集・転送が可能なほか、「W21CA」をクレードルに置くだけで特定の項目をシンクロできる機能も備わっている。このため、「W21CA」をPDAのようにスケジュール管理に利用できる。ただしスケジュールをCVSファイルで読み書きできる機能は備わっていないため、グループウェアとのデータ交換はできない。

 なお、「W21CA」のユーザーは、「MySync Suite」シリーズを2000円で購入できるようになっている。また、同価格で写真関連の機能を省き、Outlookとの連携機能を持たせた「MySync Suite Biz」も用意されているので、Outlookでスケジュールを管理している場合には、そちらを使うと良いだろう。

 細かい点ではあるが、若干気になったのは、全体的な動作が若干遅い点だ。ムービーの再生やカメラの動作速度には不満がないが、メニュー画面でアイコンが切り替わる速度やEZアプリの起動などには少々不満を感じる。ただ、Operaブラウザを搭載しているなど、機能は豊富であり、全体的な完成度は高い。

 文字入力や表示面積、通信料金の関係から、PCの代わりに使用するのは難しい。だが、スケジュール管理をメインにPDAを使用しているのであれば、そこに通信機能を備えたものとして「W21CA」を選択するのも悪くないだろう。

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