起動は数秒と早く、撮影チャンスを逃さない。液晶をたたむとスタンバイモードに入り、開くと復帰する点もフットワークが良い。操作は、背面右にムービー、左にスチルのシャッターを配したスタイルは変わらないが、その他の操作ボタンが見直されている。従来機ではGUI操作用の十字レバーとズームレバーが独立していたが、本機では兼用となった。
十字方向がやや定めにくい感はあるが、ボタン数が減ってよりシンプルになった。また、再生/撮影モード切り替えボタンが背面から側面に移動している。親指だけで操作できた従来機のほうがリーズナブルに思えるが、これも好みや慣れの範囲といえるだろう。
GUIはDMX-CG65とほぼ同じだ。機能をボタン化せずに、GUIで選ぶ家電的な方式で、これは同社デジカメの伝統的なスタイルといえる。GUIの項目が多いため、設定はやや煩雑な印象だ。
十字キーに好きな機能を割り振ってダイレクトに呼び出せるが、設定できる機能の数が、従来の4機能から2機能に減ってしまった点は残念だ。といった要望はあるものの、オート中心のカメラにふさわしいシンプルな操作性ともいえるだろう。風きり音のノイズ低減機能や、縦撮りスチルモードなど、ポイントを押さえた機能に完成度の高さが感じられる。
バッテリ寿命の短さがXactiシリーズの課題といえるが、地道な省電力化が図られていて、本機では約80分の連続ムービー撮影が可能になった。なお、テストでは約60分撮影できた。1日のスナップ撮影ならこなせるが、長旅やイベントなどを撮りたい人は、購入の際に予備バッテリの予算も考えておいたほうが良さそうだ。
H.264は新しいコーデックなので、PCでの再生、編集環境が発展途上だが、本機のムービーは付属の「QuickTime7.1」で再生でき、付属の「Adobe Premiere Elements 3.0」で編集も可能だ。またVGA以外のムービーは変換なしに動画対応のiPodで再生が可能だ。
本機の防水機能を選ぶか、それともDMX-CG65のコンパクトさを選ぶか? 悩むところだが、水辺でレジャーを楽しむ機会の多いファミリーなら有効に活用できそうだ。撮影エリアを手軽に広げて楽しめるユニークな多機能カメラといえるだろう。
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